帰りの列車の時刻まで、駅周辺を散歩することにした私たち。
津和野駅到着から帰りの発車まで3時間弱ありましたが、お昼ごはんをゆっくり食べたので、残り時間はあと1時間ほどになっていました。
駅のトイレは、改札口を出て左側に設置されています。新しくてきれいでした。バリアフリートイレもあります。
駅のすぐ横に、蒸気機関車が展示されていました。
友人「『デゴイチ』だね。私たちが乗った客車を引っ張ってきたものと同じだよ。」
私「どこに『デゴイチ』って書いてあるの?」
友人「『D51』とプレートに書いてあるでしょう。」
私「ああ、これを『デゴイチ』と読むのか。デゴイチって、SLのことをよく知らない私でも聞いたことがあるけど、どうして有名なのかな。」
友人「細かいことまでは私も知らないけど、たぶん、すごく数が多かったからというのも理由じゃないかな。戦時中に量産されたらしいよ。」
私「なるほどね。帰ったら、他の友だちにも話してみよう。」
「発達障害者には電車好きが多い」という話はあちこちで聞きます。私の感覚でも、やはり発達障害のある人の電車(列車)ファン率は高いのではないかと思います。
例えば、発達障害者5人で集まって話をしていたら、私以外は電車好きで、私には全然わからない路線の話で盛り上がっていたことがありました。また、電車のイベントに出かけたら、知り合いの発達障害者にばったり出会うということも何度かありました。
駅前の道を右に曲がって歩いていると、雪雲の間から日の光が差してきました。
友人「日が差すとほっとするね。さっきまで薄暗くて心細かったよ。」
私「私にとっては、ちょっとまぶしいけど。」
友人「日差しが強いわけじゃないのに?」
私「雪に反射するからかな。」
友人「なるほどね、白いからよく光を反射するもんね。冬もサングラスが必要かもしれないね。」
私「九州の私の地元では雪が降ることはないから、油断してた。」
発達障害があり、光の刺激がストレスになりやすい私は、夏の間は常にサングラスを持ち歩くのですが、冬にも必要だとは思っていませんでした。次から雪の予報にも注意しようと思いました。
少し行くと、「安野光雅美術館」が道の左側にありました。安野光雅は津和野出身の画家で、淡く優しい色合いの絵で有名です。
亡くなられてちょうど1年が経つ頃で、追悼展が行われていました。時間が足りなかったので展示室へは入りませんでしたが、次に来るときは、観覧時間を計算に入れておこうと思いました。
美術館の先に、「みのや」というお店がありました。「揚げ源氏巻」ののぼりが立ててあります。
私「食べようかなあ。」
友人「まだ食べるの?大丈夫?」
私「名物みたいだし、気になるから。」
私は線維筋痛症がありとても疲れやすいのですが、疲れている時は食事の量や内容にも特に気を付けておかなくてはいけません。うっかり食べ過ぎたり、味の濃いものを食べたりすると、気分が悪くなりがちなのです。しかし、発達障害特性で自分の体調をうまく把握できていなかったり、体調に注意すること自体を忘れていたりします。
友人は私の特性を良く知っているので、この時も注意を促してくれました。
友人「うーん、心配だな。よし、私が半分食べてあげよう。」
私「ありがとう。ん?もしかして、食べたいだけ?」
友人「それもある。」
感染症予防のため手を消毒してから、半分こして食べました。甘いあんをカステラのような薄い生地に包んだ津和野のお菓子「源氏巻」に衣をつけてからっと揚げてあり、食べごたえがあっておいしかったです。
乗車時間が近くなったので、津和野駅に戻りました。他の乗客も集まり始めていました。
時間になるとSLは汽笛を鳴らして、新山口へ向かって走り始めました。
私「津和野には初めて来たけど、風情があっていいところだね。またゆっくり訪れたいな。」
友人「うん、またSLに乗って来ようね。」
・<10 新山口駅>(
https://www.cotravel.jp/diary/index.php?uniqueid=5eedb2cc66259)に続きます。
島根県津和野町立 安野光雅美術館:
https://www.town.tsuwano.lg.jp/anbi/anbi.html
お食事処みのや(インスタグラム):
https://www.instagram.com/minoya_tsuwano/
SLやまぐち号:
https://www.c571.jp/index.html
NHK NEWS WEB「クリスマス仕様の蒸気機関車『SLクリスマス号』運行 JR山口線」2021年12月25日:
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211225/k10013403781000.html
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