「花嫁のれん」号は、金沢駅と和倉温泉駅の間を走っている観光列車です。
花嫁のれん号に乗車するためには、指定席の事前予約が必要です。今回は、前日に友人が予約を済ませてくれていて、七尾駅から金沢駅まで乗車することにしていました。
「花嫁のれん」は、幕末から明治時代に加賀藩で行われた風習だそうです。
花嫁の両親は、加賀友禅などで仕立てられた、高価な「花嫁のれん」を嫁入り道具として持たせます。結婚式の当日、のれんは婚家の家の仏間にかけられ、花嫁はそれをくぐって仏壇にお参りし、婚家の先祖に嫁入りを報告します。
花嫁のれんは、結婚式の後は基本的に出番がないものでしたが、今では七尾市にある「花嫁のれん館」などで、私たちも実物ののれんを見ることができます。
花嫁のれん号がホームにやってきました。
駅員さんがはっぴを着てお見送りをしてくれました。また、アテンダントさんたちは和装で車内サービスをしてくださいます。
乗車すると、車内の通路が石畳風のデザインになっていて、落ち着いた雰囲気を醸し出していました。
私たちが乗った1号車の座席は、木の柱でブースに仕切られており、各ブースには「青の間」などの名前が付けられていました。
2号車には車いす用席も2席設けられています。
アテンダントさんがやってきて、記念乗車証をくださいました。中に切符をはさんで記念に保管しておくことができます。
私が気に入ったのは、このふかふかの座席です。私は線維筋痛症があり、すぐに体が痛くなったりだるさが強くなったりしてしまいがちなのですが、この座席の形と柔らかさが私に合っていたようで、金沢までの道中を快適に過ごすことができました。
他の設備も気になった私は、友人に一声かけて車内を散策することにしました。
1号車のエントランスには、車内販売コーナーがありました。地元のお菓子やお酒のほか、加賀地方の工芸品、クリアファイルやしおりなどの限定商品が販売されています。
車内販売コーナーの向かい側には、石川県の伝統工芸品を紹介する棚が設置されています。水引細工や金箔を使った豪華なお箸などが展示されていました。
ドアの金箔の装飾も見事です。
2号車のエントランスには、バリアフリートイレが設置されていました。トイレのピクトグラムは和装で、かわいく表現されています。
車内を一通り見学し、席に戻りました。窓の外には畑が広がっています。
友人「おかえり。どこまで行っていたの?遅かったね。」
私「そう?車内を見学してただけだけど。」
友人「20分以上いなかったよ。ちょっと心配してたんだよ。」
私「そんなに離れてたっけ、ごめんごめん。工芸品とか、色々興味深いものがあったから。」
友人「それなら良かった。でも疲れるといけないから、そろそろ座っておきなよ。」
私「そうだね。景色を見るのもいいね。」
発達障害のある私は、興味のあるものに集中してしまうと、時間や次の予定を忘れていることがあるのです。疲れて体調を崩しがちなので、気を付けておかなくてはいけないのですが、疲れることも忘れてしまいます。友人のように声をかけてくれる人がいると、とても助かります。
花嫁のれん号は、羽咋(はくい)駅で一度停車しました。羽咋は、江戸時代に空飛ぶ円盤が目撃された伝承が残っていることなどから、「UFOのまち」として有名で、宇宙科学博物館もあります。
金沢駅に到着。1時間と少しの乗車時間があっという間でした。
友人「花嫁のれん号、どうだった?」
私「すごく楽しかった。このまま七尾までもう一度乗車したいな。」
友人「和風の車内が素敵だったね。もう一度乗ると帰りが大変になりそうだから、乗るのは今度にしよう。」
私「うん。また花嫁のれん号に乗車しに、石川に来たいな。」
友人「お互い、花嫁になる日は遠そうだけどね。」
私「たしかに。」
満喫した私たちは、次に中国地方まで移動することにしました。
・<6 SLクリスマス号・その1>(
https://www.cotravel.jp/diary/index.php?uniqueid=5eedb2cc66247)へ続きます。
JRおでかけネット 観光列車の旅時間「花嫁のれん」:
https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hokuriku/hanayomenoren/
花嫁のれん館:
http://hanayomenorenkan.jp/
宇宙科学博物館 コスモアイル羽咋:
http://www.hakui.ne.jp/ufo/
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