草間彌生の作品「大いなる巨大なカボチャ」

     


長野県松本市にある「松本市美術館」は、2021年度、改修工事のため休館しています。その間に楽しめるアートイベントのひとつが「パルコ de 美術館」。松本市街地にある商業施設「松本PARCO(パルコ)」の6階が、松本市美術館のプロデュースにより、アートの発信地になっているのです。
以前から気になっていたのですが、2022年1月半ばに訪れる機会に恵まれました。

松本駅からパルコまでの地図
松本PARCOは、JR松本駅から徒歩5分程度の場所にある商業施設です。松本市の中心部なので、周囲にもお店がたくさんあります。
この日の私の目的は「パルコ de 美術館」を楽しむこと。私には線維筋痛症があり、あまりうろうろしてしまうと美術館を楽しむ体力が残りません。気になる雑貨屋や洋服屋がたくさんありましたが、我慢してPARCOへ向かいました。

パルコの入口
PARCOの入口に着きました。ドアに「PARCO de美術館」のステッカーが何枚も貼られています。

駐車場の割引認証の機械
入口には駐車場の割引認証機が設置されていました。PARCOの提携駐車場に車を停めた場合、認証機で駐車券の読み取りをすると、買い物をしていなくても1時間無料になります。PARCOで2,000円以上の買い物をすればさらに1時間分、4,000円以上であれば2時間分の無料サービスが受けられます。

貸し出し用車いす、ベビーカー
1階のエレベーター前には、貸し出し用の車いすとベビーカーがありました。誰でも自由に使うことができ、使用後に元の位置に戻せば良いそうです。

壁の所々にある小窓
エレベーターで会場のある6階へ上がると、受付まで続く廊下の壁のところどころに小さな窓がありました。「のぞいてみよう!」と書かれています。

小窓の向こうの部屋に見えるジュゴンのような生き物のオブジェ
窓のひとつをのぞいてみると、大きな生き物が空中を漂っているのが見えました。ジュゴンでしょうか、それともマナティーでしょうか?

美術館の受付


料金案内
入場料は高校生以上500円です。障害者手帳を提示すると、本人と介助者1名の入場料が免除されます。手帳の提示で無料になった場合も、PARCOでの買い物500円分としてカウントされ、駐車場割引に使うことができます。

ペンギン親子の彫像


カメやカバなどの像
はじめの展示室には、大きな動物たちが並んでいました。仏像製作に用いられる、「乾漆(かんしつ)」という技法でつくられているそうです。リアルなのですが、どこか優しい印象を受ける動物たちを見ていると、気持ちが和んで微笑んでしまいます。

展示の案内板、動物の名前が書かれている
先ほど窓から見えていたのはマナティーだったようです。

小窓の中にいる小さなパンダ
実物大の動物たちだけでなく、小さな作品もありました。

次の部屋に続く通路、手前にある彫像
次の展示室に進もうとしたところで、壁に何かが張り付いているのに気が付きました。

壁にはりついているオオサンショウウオの像
これはかわいい、オオサンショウウオでした。私は家でウーパールーパーを飼っており、もちろんウーパールーパーの仲間のオオサンショウウオも大好きなのです。

ショッキングピンクの壁の部屋に並ぶ女性たちの木像
次の展示室は打って変わって、ショッキングピンクの部屋。ファッショナブルな女性の彫刻がたくさんあります。

金髪のオシャレな女性の像
表情までオシャレです。彫刻の女性たちが着ている服が実際にあったら、一度は着てみたいなと思いました。

「大いなる巨大なカボチャ」の手前の部屋
次は、草間彌生(くさま・やよい)の代表作のひとつ「大いなる巨大なカボチャ」の展示室に入ります。

大きな黄色いカボチャ、黒の丸いドットがたくさん模様になっている
展示室の床も壁もカボチャ模様です。

カボチャの周りを一周できるようになっている
カボチャを見ながらまわりを一周していると、くらくらしてきました。私には発達障害特性があり、視覚情報に影響を受けやすいのです。この時は刺激的な色と形が一度に視界に入ってきたので、情報過多になってしまったのかもしれません。

カボチャのアップ
でも、草間彌生は私の好きなアーティストです。カボチャのまわりをぐるぐると3周し、鑑賞を楽しみました。

黒い精密な切り絵の作品


金属工芸品の茶筒
切り絵や漆工芸の作品の精巧さにも目を奪われました。

屋上の展示会場に続く階段
展示室を出ると、屋上の展示会場に順路がつながっていました。階段が数段あり、スロープなどは見当たりませんでした。

屋上にあるプレハブの四角い家のような建物
屋上には、金属の四角い家のようなものが建っていました。

屋上の展示の案内パネル
説明を読んだところ、中に入って光を楽しむ作品のようです。また、この作品は「パルコ de美術館」の開館日であれば、無料で観覧できるとのことです。

遮光カーテンがしっかりと掛けられている入口
遮光カーテンがかけられている入口から中に入ります。

室内の様子、壁の無数の穴から太陽光が漏れてきている


細かい穴のアップ、光がキラキラしている
壁にあけられた無数の穴から、太陽の光が差し込んでいました。幻想的な空間です。

太陽の方向、一つ特に強い光が見える
私はしばらくこの作品の中でぜいたくな時間を過ごしました。
今回「パルコde 美術館」の素敵な作品に触れて、2022年4月に松本市美術館がリニューアルオープンしたら、絶対に行こうと思いました。

松本まちなかアートプロジェクト2021「パルコ de 美術館」:https://www.mm-art-project.com/parco/
松本市美術館:http://matsumoto-artmuse.jp/

女性/30代 発達障害, 精神障害

九州地方在住。ボランティアから始めた地震被災者支援の仕事が終わり、現在将来を模索中。
発達障害、線維筋痛症、強迫神経症などあり。理解ある周囲のサポートを受けながら生活しています。
長く拒食症でしたが、今はおいしく食べています。旅先での食事もご紹介したいです。
・すきなもの:草、花、猫、スピッツを歌いながらドライブ
・すきな場所:お寺、水源、薄暗いところ
同じところにいても見ているものが違うとよく言われます。ちょっと違った視点での楽しみ方をお届けできたらうれしいです。

・発達障害者主体のNPO法人で活動しています。
HP:https://unevennpo.wixsite.com/decoboco

旅行エリア
中部, 長野県, 松本市
旅行期間
対象読者
車いす 発達障害 知的障害 精神障害 高齢者 乳幼児連れ その他
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関連タグ
発達障害ADHD自閉症LD線維筋痛症松本市パルコ美術館