最近、テレビや雑誌で話題の屋内スカイダイビング施設「フライステーション」。
視覚障がい者でも行けるのか?とネットで検索。
すると視覚障がい者はもちろん、車椅子ユーザー、聴覚障がい者など様々な障がい当事者を受け入れてくれるという情報が。
「これは行くしかない!」と、さっそく訪れてみることに。
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① 屋内スカイダイビング施設「フライステーション」とは?
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はじめに、フライステーションの簡単な説明から。
Fly Station(フライステーション)とは、人工の激しい風に乗って、空中を飛ぶアクティビティを体験できる施設です。
慣れた人は体ひとつで10mも飛ぶこともできるんだとか。
ロシアやヨーロッパでは人気があり、フライステーションで行う競技の国際大会もあるほどだといいます。
今回訪れた埼玉県越谷市の施設は、2017年に日本で初めてオープンした場所なんだとか。
※写真:モール近くを走るバス
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②本当に視覚障がい者も受け入れてくれるのか?実際に行ってみた!
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さて、本題。
実際にフライステーションへ行ってみることに。
最寄り駅のJR越谷レイクタウン駅を降り、徒歩で目的地へ向かいます。
歩いてみると、この一帯はアウトレットなどのショッピングモールが並んでいます。
※写真・アウトレット内。店舗数が多いので、ここだけでも一日遊べます。
※写真・モール内には人気の韓国料理の食べ放題の店なども
施設は、その一角にありました。
中に入り、受け付けへ。
実は、視覚障がいであることを事前に相談していなかったボク(ごめんなさい)
しかし、スタッフの方は「どれぐらい見えますか?」と聞くだけで、特段焦る様子もなく対応してくれました。
ネットの情報は本当のようですね。
手続きを済ませ、施設内へ。
すると・・・
想像以上にデカい!!
少し圧倒されながら、更衣室で専用のウェア・ゴーグルを装着。
事前のフライト講習へ。
まずフライトの姿勢のレクチャーから。
インストラクターのお兄さんが机の上で飛び方の実演をしてくれました。
どうやら、大の字で腹ばいになるのが基本の体勢のようです。
次にVTRの上映。
宙に浮く人たちの姿が映し出され、注意事項が説明されます。
「みんな、すごい高く飛んでる・・・」
映像を見て、ビビり始めるおじさん。
頭の中で、
「俺だけ落ちるってことないよね?」
「腹ばいじゃなくなっちゃって、落ちるってことないよね?」
「電気代払ってなくて、風が止まって、落ちるってことないよね?」
と、ありえないことまで妄想が膨らんでいきます。
そして最後の解説で、ボクの不安はMAXに。
「これは無理だと思ったら、ジェスチャーを送ってください。インストラクターからもジェスチャーを送ることがあります」――――――――
わわわわわーーーー!!
これは無理だよね?
ジェスチャー見えないもんね?
フライトできないよね?
逃げてるんじゃないよね。無理なんだから。
そんな思いを抱きながら、インストラクターのお兄さんに質問してみました。
ボク「ジェスチャーが読み取れないんで、やっぱり難しいですよね?無理ですよね!?」
お兄さん「え、ジェスチャー・・・?」
ボク「視覚に障がいがあるんで・・・」
お兄さん「あ!いえ、ちゃんとサポートさせていただくので、全然大丈夫ですよ!(キラッ)」
ボク「あ、ああ・・・そうですか・・・」
なぜでしょう。
これ以上ない対応なのに、今はうれしくない。
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③堪能、風に乗って飛ぶ爽快感!
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さて、いよいよフライトへ。
こうなったら、やるしかない。
今回は、1フライト(平日4500円)×2回に、インストラクターさんが10m弱地点まで連れて行ってくれるタクシーフライト(600円)をつけました。
さっそく1回目(タクシーフライトなし)へ。
トンネルのドアが開くと、ものすごい風が!
高速道路で車内に吹き込む風をもっと強くした感じ。
講習通り、大の字で腹ばいになります。
すると・・・・
ふわっ!
ほ、本当に体が浮きました!
すごい!
水中で浮いている時のような、何かに押し上げてもらっているような、初めての感覚です。
この浮遊感、気持ちいい!
しかし、そう思ったのもつかの間・・・
あれ?思ったよりも高く上がらない。
1~2mぐらいを行ったり来たりしている。。。
飛ぶのが下手な鳥みたいになってます。
全身がピンと伸びていないと、風を受け止められず上がらないらしいのですが、風が強くてピンと伸ばせません。
全身に力を入れても、どうしても手足が曲がってしまいます。
懸命に力を入れ、浮け!浮け!と念じているうちに、タイムアップ。
一度外へ出ようとしますが、風が強くなかなか出られません。
そんなボクの両腕をお兄さんがつかみ引きずり出してくれました。
競りに出されるマグロみたいになりながら、なんとか外へ。
一度心を落ち着けます。
ここでインストラクターのお兄さんが実演をしてくれました。
それを見ると・・・
スパイダーマンのようにぴょんぴょん高く、高く飛んでいきます。
ぐるぐる回転なんかもしてる!!
すごいなー・・・
見とれていると、お兄さんが迎えに来てくれました。
タクシーフライト付きの2回目、スタートです。
トンネルに入り、再び大の字で腹ばいに。
先ほど同様、ふわっと体が浮きます。
インストラクターのお兄さんと手をつなぎ、支えてもらいます。
そのまま磁石のコンパスのように水平に回転。
すると、先ほどとは違い、徐々に上昇。
おー、すごい。
と思ったと同時に、水平回転が一気にスピードアップ!
急激にぐるぐる回り出し、ジェットコースターに乗っている時のような体感に。
それとともに、高さも急上昇。
地上の人たちが、かなり下の方に見えました。
見上げていた壁のあたりが自分より低い位置に。すごい、本当に体ひとつで10m近くホントに飛んでる!
下からふわふわと風が押し上げてくれている感覚。
自分が木の葉になったような、宙を泳いでいるような感覚です。
これは楽しい!
回転はさらに加速。
風を切る感覚がより強くなります。
自分の体が宙を駆け抜けていく、そんな感覚です。
爽快感を味わいつつ、フライトは終了。
地上につき、よろよろと外へ。
先ほど飛んでいた位置をぼーっと見上げます。
「あんなに高く飛んでいたのか」と驚きます。
最後に、インストラクターのお兄さんがフライト証明書をくれました。
何かうれしい!
その証明書と、ボクの体の中に残る浮遊感は、ボクの大切な思い出となったのでした。
※写真・モールに隣接する水辺
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施設概要・バリアフリー情報
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▼施設概要URL
https://flystation.jp/
▼バリアフリー情報
基本的に様々な障がい当事者を受け入れてくるようです(事前に要相談。条件によっては難しいケースもあり)
〇車椅子ユーザーポイント
・看護・介護旅行を行う団体の下記ページに詳細が掲載されていました。
車椅子の方でも飛べる!?屋内スカイダイビング〈フライステーション〉
https://www.nicola-travel.co.jp/flystation/
・出入口に少し段差あり。
〇視覚障がいポイント
・体感型のアクティビティなので、見えなくても楽しめる。
・スタッフの方が優しい印象。
・施設内は明るめ。移動しやすい。
・出入口に少し段差あり。
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