最近話題のラフティング。
ボクもやってみたい!と思い、積極的に障がい当事者を受け入れている場所はないか?とネットで検索。
すると、群馬県と東京都・青梅市に拠点がある「River Joy」という場所が見つかりました。
「ここにしようかな?」
と、Q&A欄を見ていると、こんな記述が。
Q:泳げません。
A:泳げます。
ライフジャケットがあれば!!
Q:送迎はやってますか?
A:やりたいです。気持ちは。
でも8月とかは無理です。
繁忙期以外、平日ならできます。本当すいません。頑張ります。
・・・な、なんかファンキーな回答。
結局、この記述が気になり、行ってみることに。
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①初のラフティング!乗った感じは?
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電車の窓いっぱいに映る山々を眺めているうち、電車はJR青梅線・御嶽駅に。
下車すると、「River Joy」の池邉 祐介(いけべ ゆうすけ)さん、大谷 諒也(おおたに りょうや)さんが車で迎えにきてくれました。
拠点に移動し、水中服・ライフジャケットを装着。
水中服、思ったより締め付けられる感がありますね。
「袋詰めのボンネスハムってこんな気分なんだろうなー」と自分の贅肉を見るおじさん。
その後、手引きしてもらいつつ斜面を下り、川に到着。
ラフティングのボートを浮かべてもらいます。
実はボク、川下り系のアクティビティが初めて。
結構ビビってます。
が、実際にボートに乗ると、なかなかの安定感。
「これなら余裕だな!」と、余裕をかますおじさん。
さらに、池邉さんが「もし川に落ちても、ライフジャケット着てれば浮くんで、上向いて待っててください。絶対助けにいきますから!」と言ってくれました。
「絶対助けに行く!」と人生で初めて言われ、照れるおじさん。
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②体で感じる、川の息遣い。
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ボートが波に揺られ、動き始めました。
少し進むと岩があるゾーンへ。
ゴーッと白く、激しい波がたっています。
その音の中へボートが吸い込まれると、ボートは激しく揺れ、水しぶきが全身にかかります。
川岸で見ていた白波の中心に自分がいると思うと、不思議な感じですね。
その後、流れが穏やかなエリアへ。
ここではボートの縁に腰を掛け、足を川に投げ出すことができます。
静かな中、ポチャンという音をさせ、足を水中へ。
足から伝わる凛とした水の冷たさ、穏やかな流れの息遣いが感じられます。
ボートに腰をかけていると、川のせせらぎの音、木々が揺れる音、虫や鳥の鳴き声が360度、いろいろな方向から聞こえます。
それらを「川の中」で聞くと、普段とは違った、川や木々に包まれているような気持になります。
先ほどの激しい顔とは別な、川の優しい顔に触れることができました。
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③全身で川を受け止めろ!リバーサーフィンとは?
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ボートはまた激しい流れのエリアへ。
ここで、「リバーサーフィン」なるものもやらせてもらうことに。
逆流する箇所を利用して、波乗りをするものなんだとか。
オールをこぎ、その箇所に向かいます。
が、なかなか入れず一度対岸へ。
難しいですね。
再度挑戦。
すると・・・・
!!?
ボートの底から波の振動が!
ホントにボートが波乗りしてる!!
興奮するおじさん。
が、あれ?
波に乗ったと思ったら、体の半分ぐらい沈んでる!!?
「え?これ溺れないよね?」
と、不安になるおじさん。
記事の冒頭で、「これなら余裕だな!」とか、ほざいてた自分をひっぱたきたい。
不安になり、「絶対助けに行きますから!」と言っていた池邉さんを見ると・・・
爆笑していました。
さっきまで「私の王子様だわ。」ぐらいに思っていた池邉さんに、「なんで余裕なの!」と心の中でキレるおじさん(←人間できてなくて、すみません)
しかし、少しすると心に余裕が生まれました。
激流が全身にぶつかってくる感じ。
滝を全身に受けている感触。
それが爽快。
「川ってこんなに力強いんだ・・・」
と感じるボク。
そして首近くまで水位が上がると、力強い流れを目線近くで体感。
体の芯まで冷えるような水の冷たさ、川のにおいも感じることができました。
ボートは波乗りエリアを抜け、浮上。
激流を受けた後に感じる風は、温かく、さわやかで、緑のにおいを運んでいました。
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④白杖おじさん、川へダイブ!
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そして最後に、切り立った岩へ。
この岩から川へジャンプさせてもらうことに。
池邉さんに手を貸してもらいながら、上へと上っていきます。
四つん這いになりながらなんとかテッペンへ。
結構な高さに足がすくむおじさん。
「本当にもっと足を踏み出していいのか?」と恐る恐る足を出していると・・・
「大丈夫!信じて!」とアラジンっぽいことを言ってくれ、足の置き場所を手でセットしてくれる池邉さん。
なぜかまた照れるおじさん。
池邉さんはボクの足をセットし、下でスタンバイしてくれました。
た、高い。。。。
改めて震えるボク。
だけど、池邉さんを信じて飛ぶしかない。
えい!!
※写真:岩から飛んだおじさん。ゴキブリが飛んでいるように見えるのはボクだけだろうか。
宙に浮いている!
と思ったのもつかの間
ぼちゃん!
川の中に全身つかります。
必死になって泳ぐボク。
なんとか足がつくところまで到着しました。
すると、ジャンプの浮遊感、川に入る瞬間の水の感触、澄んだ川に全身包まれた感覚。
爽快な感覚が一気に全身にかけめぐります。
めちゃくちゃ気持ちよかった!
そして、幼いころ川に飛び込んでいた記憶がよみがえってきました。
見えなくても全身で味わえるから、楽しかったんだよな。
キラキラと輝く波を見つめながら、ボクはそう感じたのでした。
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インタビュー ――ハードルを上げてあげるのが、僕らの仕事――
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ラフティングの後、池邉さんにインタビューをさせてもらいました。
50人弱の障がい当事者のガイドをしてきた池邉さん。
どのような思いでされているのでしょうか?
――障がい当事者にどのようなサポートをされてきたんでしょうか?
池邉さん「肢体不自由の方には階段の上り下りをケアしたり、聴覚障がいの方にはジェスチャーでわかるように伝えるなどしてきました。車椅子の方などを車から抱え、川まで降りて、ボートにお連れしたこともありましたね」
――様々な特別なサポートをされてこられたんですね?
池邉さん「はい。ただ、障がいがあるから何か特別なことをしているという感じはありません。
障がい者・健常者関係なく、みんな得意/不得意あると思うんです。ガイドとして僕らは全員の不得意なことをサポートしています。
それはガイドとして必要なスキルだと思っているんで」
――全員に行うサポートの一環として行われているんですね?
「そうですね。
特別視すると人として対等でなくなっちゃうじゃないですか?
正直、昔は特別なのかな?と身構えたりもしたんですよね。ただ、触れ合う機会が増えるにつれ、「変わらないな」ってなってきて。
たとえば、自閉症の重い子たちとラフティングしていて、僕らは彼らの表現がわからないんですけど、親御さんたちが「本当に楽しかったみたいです」って言ってくれて。「やっぱり感じることはみんな一緒だよな」って思いましたね」
――みんな一緒だと?
「はい。感じることは一緒。『冒険したい!』『チャレンジしたい!』と思う気持ちも一緒。
だから、やりたい気持ちがあるなら、やろうよ!って思ってますね。
もちろん危険なことなら止めますよ。それは、全く泳げない人に「今すぐ川の激流を泳ぎたい!」って言われたら、止めるのと同じで。
ただ、『これならば大丈夫でしょ!』というハードルを上げてあげるのが、僕らの仕事なんじゃないかなって思ってます」
ハードルを上げてあげるのが、僕らの仕事。――――――
ラフティング、川へのダイブ、リバーサーフィン・・・
当事者にとってリスクが高いと思われがちなことでも懸命にサポートしてくれる。その根底には、この思いがありました。
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施設の概要、視覚障がいポイントなど
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▼施設の概要
「River Joy」東京ベースのアクセス
JR青梅線・御岳駅から徒歩(混雑していない時であれば、御岳駅からの送迎も対応してくださいます)
※そのほか、群馬にも拠点があります。
「River Joy」HP
https://www.rafting-joy.com/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%A6%82%E8%A6%81/
▼視覚障がいポイント
〇アクティビティが全体的に全身で味わえるものが多く、見えなくても楽しめます。
〇御岳ベースは、川までの道が急斜面です。ただ、しっかりサポートしてくれます。
〇時期・日にちによっては送迎をお願いできます。ただ、難しいこともあるので、事前にご相談してください。
〇River Joyは、障がい当事者をガイドした件数も多いとのことです。
〇River Joyの方は、障がいがあってもフラットに接してくださる方が多いので、安心です。
▼JR青梅線沿線旅行記・お出かけ記事
【白杖おじさん潜入取材】D&D BOXING GYM東京昭島(JR昭島駅)
https://www.cotravel.jp/diary/index.php?uniqueid=5eedb2cc660b8
【白杖おじさん潜入取材】ガイドヘルパーさんと旅、メリットは? 昭和記念公園など(JR立川駅)
https://www.cotravel.jp/diary/index.php?uniqueid=5eedb2cc6617e
▼サイト内のアウトドア系記事
「1時間200円!障害者用更衣室もある新左近川親水公園カヌー場」(ライター:りおさん)
https://www.cotravel.jp/diary/index.php?uniqueid=5eedb2cc66029
「石垣島で車椅子利用者でも十分楽しめるアクティビティの旅③」(ライター:白倉栄一さん)
https://www.cotravel.jp/diary/index.php?uniqueid=5eedb2cc66150
※取材は、新型コロナ感染予防をしたうえで行っています。
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