沢山の機織り機

     


諏訪湖に隣接している長野県岡谷市は、明治から昭和にかけて製糸業が盛んだった町で、「絹のまち糸都岡谷」とも言われているそうです。一時期は3万人もの方が諏訪湖の周辺で働いていたとのこと。
今回私は、「岡谷絹工房」を見学してきました。岡谷絹工房では昔ながらの機織り機で絹を織り、さまざまな製品を作っています。

広い駐車場、青空
「今日は岡谷市に行ってみよう」と、急に思い立った私。
前日は気持ちが落ち込み、丸一日横になって過ごしていましたが、あまり休んでいるとどんどん気持ちが落ち込むのが私の常です。少し無理をしてでも立ち上がらないと、うつになってしまいそうです。
インターネットで検索していたところ、気になったのが「絹」というキーワード。私は小学生の頃に数匹の蚕を飼ったことがあり、小さな蚕が器用にまゆを作る様子を見たことを思い出しました。

ところが、目的地の「岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかや」に着くと、スタッフらしき方に「すみません。今日は臨時休館日なんです。」と言われてしまいました。どうしよう。

古い2階建ての建物
もう一度検索して、岡谷蚕糸博物館の近くにある「岡谷絹工房」に行ってみることにしました。
車で5分ほど走ると、歴史を感じさせる建物に到着しました。

「岡谷絹工房」の入口


古い洋館のような建物


スロープの先にある建物入口
誰も見当たらなかったので、入って良いのかどうか少しためらいましたが、ここまで来たので、思い切って入ってみました。

機織機、細い緑の糸が巻いてある
建物に一歩入るとすぐに女性が来られ、
「こんにちは。今日はどちらから?感染症が大変な時期だから、すみませんけどこのカードにお名前などご記入お願いしますね。検温は私、慣れてないんですけど失礼して、はい36度、大丈夫ですね。どうぞこちらへ」
と案内してくださいました。
一人で少し緊張していたので、温かいお声かけにほっとしました。

機織り機がずらりと並んだ部屋に入ると、手足をうまく使って絹を織っている方が数名いらっしゃいました。

上下に開ける窓
「この建物は昔、絹の工場の事務所だったものです。窓もこんな風に、上下に開け閉めするタイプです。しっくいを塗り直したり、窓の枠を取り替えたりはしていますけど、建物自体はもう100年ぐらい経っていると思いますよ」
と、丁寧に説明していただきました。

沢山の機織り機


機織り機の細かい部品


長く織り上がったベージュの生地
「ここでは、ネクタイにする生地を織っています。生地が織り上がったら、斜めにこうとって、ストライプのネクタイになります。こちらではコースターを織っていて、これはストールかな」
と、ひとつひとつ説明を聞いていると、どんどん興味がわいてきます。
「すごい。写真を撮ってもいいですか?」
「大丈夫ですよ。」
写真を撮りながら、気になったことを尋ね、たくさんの作品を見せていただきました。


「みなさんは、組合かどこかに所属されているんですか?」
「いいえ、趣味みたいなものですよ。毎年研修生を募集して、今年は少し多くて6名新しく入られました。あちらで織っている方も1年目ですね。」
「ええっ、あんなにきれいな模様を1年目で!鮮やかなチェック柄でおしゃれですね。模様は決まっているんですか?」
「いいえ、自分たちで考えます。糸を染めたりもしますよ。織る工程が一番簡単ですね。それまでのところが大変。」
「へえ、そうなんですか。糸は何で染めるんですか?」
「化学染料も使いますけど、草木染めもします。ほんと、織るところが一番楽。」

機織をしている方の手
網目のように透かしのある織り方や、凹凸のある模様の入った織り方など、いったいどうやってできるのか分からないさまざまな生地が織られていくのを、じっくり見学させてもらいました。
「みなさんすごいですね。こちらに来られる前にも何かされていた方々なんですか?」
「いいえ、初心者がほとんどですよ。たまに何かしらの経験がある方も来られますけど、だいたいは初心者。」
「信じられない。こんなセンスのある模様を。すごい!」

作品が展示してある部屋


ラックに掛けてある色とりどりのストール
それから、隣の作品展示室を見せていただきました。色とりどりに染められたストールに見入っていると、
「それは、梅の幹、枝で染めたものですよ」
と教えてくださいました。
「梅の枝でこんなに鮮やかな桃色になるんですね。」
「染める生地によっても、梅の枝をとる時期によっても色が変わってきますね。梅の実がなる前の頃が一番鮮やかかしら。実がなると、色を実にとられちゃうのかもしれないですね。」
「なるほど。こちらの薄い緑色もきれいだなあ。こちらは?」
「それは藍ですね。藍の生葉。」
「藍って、もっと濃い青のイメージがありますけど、これも藍なんですね。」
「生の葉を使うんですよ。それでこんな色が出ます。」

屋外にあるトタン屋根の小屋
一度外に出たところにある小さな建物の中で、草木染めを行うそうです。

薄緑のストールとチェック柄のポーチ
薄緑のストールが気に入ったので、手触りの良いポーチと合わせて購入しました。
何度もお礼を言って外に出ると、初夏の日差しが降り注いでいました。日除けに、このストールがさっそく使えそうだなと思い、これからの季節が楽しみになりました。

信州シルクロード「きぬのふるさと岡谷絹工房」:http://shinshu-silkroad.jp/%e3%81%8d%e3%81%ac%e3%81%ae%e3%81%b5%e3%82%8b%e3%81%95%e3%81%a8%e5%b2%a1%e8%b0%b7%e7%b5%b9%e5%b7%a5%e6%88%bf/
岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかや:https://silkfact.jp/

女性/30代 発達障害, 精神障害

九州地方在住。ボランティアから始めた地震被災者支援の仕事が終わり、現在将来を模索中。
発達障害、線維筋痛症、強迫神経症などあり。理解ある周囲のサポートを受けながら生活しています。
長く拒食症でしたが、今はおいしく食べています。旅先での食事もご紹介したいです。
・すきなもの:草、花、猫、スピッツを歌いながらドライブ
・すきな場所:お寺、水源、薄暗いところ
同じところにいても見ているものが違うとよく言われます。ちょっと違った視点での楽しみ方をお届けできたらうれしいです。

・発達障害者主体のNPO法人で活動しています。
HP:https://unevennpo.wixsite.com/decoboco

旅行エリア
中部, 長野県, 岡谷市
旅行期間
対象読者
発達障害 精神障害 高齢者 その他
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関連タグ
発達障害ADHD自閉症LD線維筋痛症岡谷市岡谷絹工房ドライブ