夏の青空、縄文時代の復元遺跡

     


2021年8月、新型コロナウイルスの猛威が収まらず、外出するのも不安と隣り合わせの日々を送っていました。ですが、外出しないとうつを発症しそうで、それも怖い。実際、2日ほど家にいたところ、気持ちが落ちて何も手につかなくなり、食事もまともにできなくなってしまいました。
これはいけない、とにかく外に出なければ。線維筋痛症の治療のためにも体を動かした方が良い、と医師から言われています。インターネットで検索し、旧中山道の宿場町のうち、長野県塩尻市にある「塩尻宿」と「洗馬宿」に行ってみることにしました。途中には平出遺跡もあり、安心して良い空気をいっぱいに吸うことができました。

塩尻宿から洗馬宿までの地図、間に塩尻駅
塩尻宿は、JR塩尻駅から3キロメートル少しの場所で、車で行くと10分ぐらいです。駐車場はありませんが、塩尻市観光協会のホームページに「塩尻東地区センターの駐車場をご利用ください」と案内されていたので、私はそこに車を停めることにしました。

塩尻東地区センターの外観
塩尻東地区センターです。駐車場はかなり広く、利用者のじゃまにならずにすみそうでした。

「西条山城群」の立札


青空の下に見える山なみ
近くに見える山々には、戦国時代、小笠原氏の山城があったそうです。

アルプスワイン本社
地区センターの隣には、アルプスワイン本社がありました。ほかにも、塩尻市内外に工場や営業所がある大きな会社です。

道のわきに咲いているノウゼンカズラ
ノウゼンカズラを眺めながら、旧中山道まで歩きました。鮮やかなオレンジ色が夏のイメージにぴったりの花です。

塩尻宿の看板


道のわきにある「飛脚問屋跡」の石碑


道のわきにある「上問屋跡」の石碑
塩尻宿は1614年に開設されたそうです。その後何度も火災があり、大部分が消失してしまいました。

小野家の外観


小野家を斜めに見たところ、「いてうや」の木の看板
ですが、この小野家はかろうじて残ったとのこと。国の重要文化財に指定されています。
「いてうや」(いちょう屋)と呼ばれていた旅籠(はたご)で、2階には5室の客室があるそうです。室内は当時流行した装飾が施されているそうですが、どんなものなのでしょう。泊まってみたいですね。

畑の中の道沿いにある「国史跡 平出遺跡」の看板
塩尻宿を後にして、次は洗馬宿(せばじゅく)に向かいます。洗馬宿はJR洗馬駅付近、JR塩尻駅から中央本線で1駅のところです。
私は車で移動しました。塩尻宿から洗馬宿までは約15分です。左右にぶどう畑の広がる道を快適にドライブしていると、「平出(ひらいで)遺跡」と書かれた看板が目に入ったので、寄り道することにしました。道沿いに広い駐車場もあり、数台の車が停まっていました。

「ひらいで絵地図」
駐車場には、かわいい絵地図もありました。地元の方が描いたのでしょうか。

 ぶどう畑の間に通る細い道
駐車場から史跡公園まで、50メートルほどぶどう畑の間を歩きました。私の地元の九州では、こんなに広いぶどう畑はまず見ることがありません。何度も立ち止まって写真を撮りながら進みました。

棚になっているぶどう


緑色のぶどう


袋をかけられているぶどう
どのぶどうもおいしそう。私には、ワイン用の品種なのか生食用かの見分けもつきませんでしたが、りっぱな実には、きっと農家の方の努力が詰まっているのだろうなと思いました。

平出遺跡の石碑
平出遺跡は、縄文時代から平安時代にかけての集落遺跡です。約5000年もの長い間、人が住みついていて、出土品も豊富だそうです。近くには「平出の泉」があり、この水が人々の暮らしを支えていたのだと思います。今回は泉には行きませんでしたが、近いうちに見てみたいと思っています。

縄文時代の復元住居
これは古墳時代の住居を復元したもの。中に入れるようです。

復元住居の入口


真っ暗な入口
暗そうなので、足を踏み入れるのをちょっとためらってしまいました。

復元住居内部、かまどがある
中にはかまどがありました。きっと縄文時代の人々も、家族でその日の出来事を話したりしながら、楽しい食事をとっていたのでしょう。

広い芝生、遠くに復元住居が見える


古墳時代の村の復元
こちらは、古墳時代の村が復元されたものです。

平出遺跡のガイダンス棟
その近くに、ガイダンス棟がありました。この時は新型コロナウイルスの影響で休止中でしたが、火おこしや勾玉づくりなどの体験教室も開かれているそうです。

高い位置に咲いているひまわりの花
ひまわりも元気に咲いていました。
広大な平出遺跡で、新型コロナウイルスを気にせず深呼吸できたところで、洗馬宿への道に戻ります。

洗馬駅駅舎
洗馬宿には駐車場がないので、さしあたり見学を兼ねてJR洗馬駅に行ってみました。
洗馬駅は無人駅で、駅前には10台ほど停められそうな駐車場がありました。

洗馬駅のホーム


ホームから見る長い線路
ホームからは、まっすぐに続く線路と周囲の緑の山々の景色を眺めることができます。

道沿いにある「洗馬宿本陣跡」の看板
駅から歩いて1、2分下ると、道沿いに洗馬宿本陣跡がありました。

洗馬宿の説明が書かれた看板
洗馬宿は、中山道と善光寺街道との分去れ(わかされ:道が分かれるところ、分岐点)として栄えたとのこと。洗馬宿も火災によって当時の様子は失われてしまったそうです。

中山道と善光寺街道との分岐点
洗馬宿を後にして、市街地方面へ戻り始めたところにその分岐点がありました。現在のような交通機関がない時代には、ここで別れを惜しんだ人たちがいたのだと思います。
当時ほどではないにしても、現在の私たちも新型コロナウイルスの影響で、思うように会いたい人に会えない毎日が続いています。自由に移動できるというのは大事なことだと改めて感じる小旅行になりました。

塩尻市観光ガイド時めぐり 中山道塩尻宿:https://tokimeguri.jp/guide/nakasendo-shiojiri/
塩尻市観光ガイド時めぐり 中山道洗馬宿:https://tokimeguri.jp/guide/nakasendo-seba/
塩尻市総合観光案内「街道が交差する交通の要衝」:https://www.city.shiojiri.lg.jp/kanko/sogokankoannai/shukuba/kotsunoyosho.html
塩尻市 平出遺跡:https://www.city.shiojiri.lg.jp/smph/tanoshimu/bunkazai/hiraideiseki/hiraideiseki.html

女性/30代 発達障害, 精神障害

九州地方在住。ボランティアから始めた地震被災者支援の仕事が終わり、現在将来を模索中。
発達障害、線維筋痛症、強迫神経症などあり。理解ある周囲のサポートを受けながら生活しています。
長く拒食症でしたが、今はおいしく食べています。旅先での食事もご紹介したいです。
・すきなもの:草、花、猫、スピッツを歌いながらドライブ
・すきな場所:お寺、水源、薄暗いところ
同じところにいても見ているものが違うとよく言われます。ちょっと違った視点での楽しみ方をお届けできたらうれしいです。

・発達障害者主体のNPO法人で活動しています。
HP:https://unevennpo.wixsite.com/decoboco

旅行エリア
中部, 長野県, 塩尻市
旅行期間
対象読者
発達障害 知的障害 精神障害 乳幼児連れ その他
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関連タグ
発達障害ADHD自閉症LD線維筋痛症塩尻市宿場町遺跡ドライブ