宿の屋上から見たトリニダーの街並み

     


2016年、キューバの旅。
旅中は聞こえなくても目で見てわかるコミニュケーションツールとして指差し会話できる本と紙のメモ帳、電子メモパッドを持って行きました。指差し会話で使用した本はこちら。
●地球の歩き方2015〜16キューバ&カリブの島々(発行所:株式会社ダイヤモンド・ビッグ社)
●絵で見て話せるタビトモ会話メキシコ(発行所:JTBパブリッシング)
※メキシコとキューバの公用語がスペイン語のため持参した
●紙のメモ帳と電子メモパッド


「カサ しおまら」からおはようございます。この宿には日本語で書かれた旅の情報ノートが置かれていて、「トリニダーいいところ」「トリニダーの宿、レオとヤミの家が最高」という情報を得た。そういうことで今回はハバナから車でトリニダーに向かうことにした。

車の手配や宿への連絡はしおまらのスタッフに伝えるとやってくれる。とても助かる。トリニダー行きの車が来る時間近くにロビーに行って待機する。ちなみに私が行く時は日本人で卒業旅行できたという大学生の人や日本人カップルと相乗りで行くことにした。トリニダーまでは車で5時間ほどだそうだ。道中に一回、日本の高速道路パーキングエリアのようなところで休憩をはさみトリニダーへ向かった。


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トリニダーの長閑な街並み、地面が見えるほどの古い石畳の道、幌馬車が通っている、築年数が古い家々
トリニダーの町。この町に来るとハバナは都会でとてもにぎやかなところであるのだなと感じさせるほど長閑な古い町だ。道路には幌馬車が通っている。


大柄でキャップを被った夫とエプロン姿の妻が著者の描いた似顔絵を持っている
宿「レオとヤミの家」のレオさんとヤミさん夫婦。とても優しくて陽気な素敵なご夫婦。写真は私が似顔絵をプレゼントした時に撮影したもの。

レオさんは日本人に分かりやすいようにシンプルなスペイン語でジェスチャーを交えて話してくれたり、日本語の単語を使って話してくれる。それは難聴の私でも分かりやすいくらい。

テーブルに並ぶ夕食と綺麗な食器、ロブスター、野菜、スープ、米
有料で食べられる「レオとヤミの家」の夕食。ヤミさんの料理してくれた米と野菜、スープ、そしてロブスター!…海老だったかな?どちらか忘れたけどとても美味しい。海老でもロブスターでも破格の料金でどちらでもこの宿で食べられます!写真を撮るのを忘れてしまったがフルーツジュースもあって最高だった。この宿では自分で調理できるキッチンもあるが、宿の夕食と朝食は是非味わってほしい。


宿の屋上にある洗面所のような水道設備、空きバケツがおいてある
宿の屋上にある洗い場。ここで洗濯物を手洗いできる。余談だが、かつて海外旅に出る前の私は手洗いの折りたたみバケツを購入するか悩んでいたことがあったが、このようなゲストハウスでは洗い場や洗うための容器を借りられるところが多い。洗濯ばさみは日本から持参しておいた方がいいかも。ハバナ旧市街やトリニダーでは洗剤を売っている店を見つけるのも大変なので洗剤も持参しておくと便利。


干されている著者の洗濯物三点
干された私の洗濯物。登山で着るような速乾性のものだと乾くのも早いし、男なら半ズボンで水着の代用になる。気候によっては海水浴からの帰り道の道中で乾く。


宿の屋上から見たトリニダーの街並み
屋上から街並みを眺める。向こうには小高い丘が見える。丘の手前が街の中心部だ。写真で見ると遠く感じるが実際には徒歩で少し歩くくらい。宿の立地は観光するにもいいところ。

この宿に泊まるにあたって、ろう者や発声ができない人は用意した方がいいかもと思うのがホイッスル。宿に門限はないが防犯のため、暗くなってくると玄関前の門扉が施錠される。トリニダーも夜に遊びにいけるスポットがあるので出かけると、帰りころには門扉が閉まっている。そしてチャイムはなく、宿泊者に渡す鍵もなかった。
そこで門扉を開けてもらうためにために「レオ〜!」とか「ヤミ〜!」と外から大声を出して呼び出し開けてもらうスタイルしかない。声を出すことが厳しい人はホイッスルのような大きい音をだせるような道具があると1人で帰ってきた時でも便利だと思う。



著者が描いた似顔絵4点、チェ・ゲバラとツーショットの絵が3点、チェ・ゲバラっぽい似顔絵にした絵が1点
これは宿で出会った卒業旅行している日本人大学生たちを描いた似顔絵。チェ・ゲバラは今でも大人気。上の二つはギターを持った学生やキューパっぽい軍服姿の学生とチェ・ゲバラのツーショット。右下は世界地図にコマを置き、酒を飲みながらチェ・ゲバラと談笑する学生。左下は「ランゴスター(ロブスター)レボリューション in CUBA」の文字とチェ・ゲバラに扮した学生が仲間の兵士と一緒にマラカスとランゴスターを振り回す。

私が宿に着いた時にも既に日本人が1名滞在していて、次の日にまた日本人が1人、また次の人も日本人という感じで日本人が集まってきた。街で知り合った人も宿泊している私の話を聞いてホテルから移ってくる人もいた。中には宿泊しないで夕食を食事しに来る人たちもいた。

好評価しかない「レオとヤミの家」はとてもオススメの宿。人気がありすぎて訪れた時にはベッドが全て埋まっているかもしれない。

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実はトリニダーには旅の本「地球の歩き方」に載っていない裏情報がある。

青空と青い海と砂浜に埋められた食われかけ君
綺麗な海とビーチがある!街からビーチまでは距離があるがバイクタクシーで行ける。ビーチの近くにはシュノーケルゴーグルを有料で貸しているおじさんがいる。私はキューバでシュノーケーリングデビューした。使い始めは逆に海水を吸い込むなどしたが徐々に慣れてきて青いカリブ海を泳いだ。補聴器やカメラを砂浜に置いて1人でシュノーケーリングするのは怖かった。ひとり旅だと荷物番がいない状況は不便である。幸い何事もなく楽しめた。


そしてもう一つ裏情報がある。それは…

馬の顔と食われかけ君
乗馬ができる!私がビーチにいっている間同じ宿にいたカップルさんは乗馬に乗って山の中にある泉へ行っていたらしい。それも往復4時間!その情報をしった私は早速次の日2階のベランダにいたレオさんに乗馬がしたいことを伝えたところ、ちょうど真下に乗馬のガイドさんが馬に乗って歩いていた。即乗馬できることになった。あまりにもタイミングが良すぎてこっちが身支度をするのに少し待たせてしまったくらいだ。

馬に寄りかかるカウボーイハットの青年
こちらが乗馬のガイドさん。私はおとなしい年老いた馬に乗っていくことに。私はキューバで乗馬デビューすることになった。先日体験したカップルからお尻が痛くなるから上着などを敷いてクッションにするといいと教わった。

道の側にある広場にいる数頭の馬たち
トリニダーでは馬が今も交通手段の一つ。さぁ山の泉へ出発!

カッポカッポ(馬の歩く音)しばらく歩いていくと掘っ建て小屋があった。

案内人「カフェだよ。ここでコーヒー飲んでいく?」
私「OK」
すでにお尻が痛い私は一服することにした。



椅子に座り竪杵と臼を使いながら歌う男
歌いながらコーヒー豆を竪杵と臼でワイルドに挽くカフェの店員。臼を打楽器のようにリズム良くポンポコ叩く。とても良いなぁー!

竪杵をクルクル回す男
竪杵をバトンのようにクルクルしてフィニッシュ!

一服して乗馬再開。帰りまで保ってくれ私のお尻。
山の中に入っていきしばらく進んでいって、ようやく泉の近くまで着くと馬から降りる。


泉の側にあるキオスク。

泉と小さな洞穴、洞窟の中には小さな石が積まれている
トリニダーの泉。とても綺麗。洞窟の中には石が積まれている。泉の周りは涼しい澄んだ空気でとても癒される。この泉で泳いでもいいし、泳がないでボーっと過ごすのも自由だ。

しばらくリフレッシュして、また馬に乗って宿に帰った。お尻と内股は筋肉痛になった。


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丘の上から見た景色と食われかけ君
次の日は丘の上のてっぺんまで登ってみる。


似顔絵を持つ女性ウェイターさん
レストランでウェイターさんに似顔絵をプレゼント。

トリニダーの居心地良すぎる。夕方くらいに宿でのんびりしていたら、同じく宿にいた自転車で世界中を駆けているチャリダーのKさんが興奮した感じでやってきた。「ケンさん!ケンさん!これ見てくださいよ!」

巨大な海老、蟹、貝
どーんと大きな海老!蟹!魚!

Kさんが漁師とたまたま仲良くなって手に入れたものらしい。そして、明日漁師のところで有料で獲れたて新鮮な海産物を食いませんか?と誘ってくれた。願っても無いお誘いに感謝した。チャリダーのKさんの行動力と社交力がすごい。宿の仲間たち5名で海近くに住む漁師さんの家にバイクタクシーで行くことにした。


木でできた家、広い庭に掘っ立て小屋がある
漁師さんの家。庭が広い。


外の洗い場に置かれた魚、海老、それを見る人たちと漁師さん、包丁がおいてある
漁師さんが獲ってきた魚と海老など。

掘っ立て小屋の焼き場、料理を食卓運ぶ上半身裸の漁師、食卓にならぶ料理
海老は庭にある掘っ立て小屋のような焼き場で良い感じに焼きまして。

焼かれた海老、刺身などの料理がテーブルに並んでいる
じゃーん!画質があまり良くないけど豪華すぎる料理。大きい海老とキューバ風味付けの刺身、貝など。わわわ!なんてことだ!こんな素晴らしい料理を食せる機会に恵まれてなんて幸運なんだ!訪れた全員が感激してガツガツと食べまくる。最高に美味しい。

Kさんから漁師さんはライセンス持ちで有料でスキューバダイビングができるらしいと教えてくれた。スキューバダイビング!やってみたい!

そんなわけで翌日も仲間たちで漁師さんのところへ行くことになり、また美味しい海の幸を食べることが決定した。


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宿に戻り、私は夜のトリニダーの街を1人ぶらつくことにした。マヨール広場あたりは夜になっても賑やかな感じだ。深夜開店の洞窟ディスコがあってそこも訪れてみたかった。

ぶらぶらしていると小さな酒場みたいなところにいた欧米からここに旅行しに来た人から声をかけられた。どうやら「日本人だよね?日本に旅しに行ったことあるよ」ということを単純に伝えたかっただけらしい。その人は現地の人とドミノゲームをしていた。

ドミノは日本だとドミノ倒しがまず思い浮かべるが、ここキューバでは「ブロック・ゲーム」のルールで遊ぶのが一般的。麻雀みたいに4人まで座ることができて、2種類の数が刻まれたドミノ牌を同じ数が隣同士になるように置いていき早くドミノ牌がなくなった人が勝ちというルールだ。レオさんに宿で事前に教えてもらっていて良かった。

君もドミノゲームやりなよと誘われる。詐欺かなんかかな?と疑いつつもとりあえずやってみることにした。その結果キューバ人のドミノゲームの強さを思い知らされた。さすがに日常的にドミノゲームで遊んでいる者は強い。何事もなく楽しんだがドミノゲームで一番早く勝つことはできなかった。ドミノゲームで一緒に遊んでくれた人たちに別れを告げた時は21時を過ぎていた。

「本当はこの近くにある22時開店の洞窟ディスコに見てみるつもりだったけど、疲れたし1人だし宿に帰るか。」

帰り道に宿の仲間たちと出会う。どうやら私が洞窟ディスコを見に出かけたというのを聞いて一緒に遊ぼうと思い、宿から出てきたという。会って数日だというのに一緒に遊ぼうと思ってくれたのが嬉しくて洞窟ディスコにやっぱり行くことにした。



洞窟ディスコの入り口、階段の下に入り口がある
洞窟ディスコ アヤラ(昼間に下調べで撮った洞窟ディスコの入り口)。私のディスコデビューの地である。しかしまともにダンスを踊ったことがないので見よう見まねで適当に踊る。かなり爆音なので難聴の人は声での会話はできない。

調子に乗ってガニ股でヘンテコな踊りをラテン女性にアピールしたが引かれてしまい失敗してしまう。(後日、レオさんにダンスのステップを少し教わる私であった)

この日、仲間たちと宿に戻った時間は0時近かった。当然門扉は施錠されていたので外からレオさんとヤミさんを呼んで開けてもらった。


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トリニダーの海
翌日はスキューバダイビングデビュー!この日の参加メンバーは前日から2人増えていた。フランスと韓国から来た2人組。ディスコからの帰りにたまたま出会い、フランス人と宿の仲間が知り合いだったことから一緒にダイビングや海の幸ランチを共にすることになった。

補聴器は精密機械で水濡れ厳禁。補聴器を外してダイビングをする前にみんなに補聴器がないと全く聞こえなくなることとジェスチャープリーズと説明とお願いをした。

仲間たちみんなしてダイビングを楽しんでいたので肝心の写真がないけれどとても楽しかった。沖縄のダイビングもオススメだよと教えてもらったのでいつか行ってみたい。

そして、また感激の海の幸を漁師さん宅の庭で堪能した。食後はまったり。私は韓国からの仲間の似顔絵を描いていた。

晴れの日の木陰で、カリブ海からの風がそよそよ吹いていて、とても幸せを感じるひとときだった。
似顔絵をプレゼントするとお返しにその人から私の似顔絵を描いてもらった。



描いてくれた似顔絵を持つ著者とリュックサックを前に持つ帽子をかぶった女性、後ろに車が停まっている
これはその思い出の似顔絵とすっかり日に焼けた私、そして似顔絵を描いてくれた作者との記念写真。ハバナへ戻る直前に撮影したものだ。

このトリニダーで出会った全ての人たちへ。本当にありがとう。トリニダーで最高の思い出ができました。



男性/30代 聴覚障害

外国に行くと「ケニチロ」と呼ばれてしまう著者。
宮城県仙台市在住。生まれつき両耳70dBの聴覚障害があり補聴器をつけている。口話と手話を使う。英語など外国語が話せないが海外では知っている単語やジェスチャー、筆談を駆使してコミュニケーションを取る。
イラストなどのグラフィックや似顔絵の仕事をしている。読書や旅が大好き。この世界のことをもっと知りたい。私の旅の話が読者の旅の役に立てれば嬉しい。
障がい者のライフスタイルメディアMedia116で漫画連載。URLはこちらhttp://www.media116.jp/
ケンイチローのTwitterはこちらhttps://twitter.com/tdk1r

旅行エリア
中南米, キューバ, その他の観光地
旅行期間
対象読者
聴覚障害
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