桜の花が咲き始めた2021年3月21日、東京の緊急事態宣言が解除されました。とはいっても歓送迎会もお花見も自粛、自粛と呼びかけられていました。
東京の桜の名所はどこも飲食禁止の看板が立てられロープが張られました。それは桜の名所にとどまらず、近所の小さな公園にまで及びました。
そんな中、お花見も歓送迎会も感染対策をしっかりしてやってください」という山梨県の長崎知事の呼びかけが話題になりました。
都民の私はちょっと心苦しさはありましたが、本当に美しい景観の中で楽しくお花見をしたいと思い、山梨県に向かいました。
出かけた先は、山梨県の大法師(おおぼし)公園です。大法師公園は富士山と桜が同時に見られ、日本の桜の名所百選にも選ばれています。
大法師公園の最寄り駅は身延線の鰍沢口駅か市川大門駅です。東京からだと中央線で甲府へ行き、身延線に乗り換えるのが一般的なルートです。
しかし、乗り鉄の旦那は、身延線は富士山が美しいから、山梨側しか乗らないのは勿体無いといいます。私は旦那のアドバイスに従い、東海道線と身延線を乗り継ぐ遠回りのルートで行くことにしました。
旦那が西日に染まる富士山が美しいと言うので、その時間帯を狙って身延線の普通列車に乗り込みました。しかし、春の霞んだ空のせいか、弱視の私には富士山は見えませんでした。それでも線路横を流れる富士川に夕日が射して、美しい風景を楽しめました。
1日目は下部温泉で途中下車して、駅前のいずみ旅館という、ご夫婦で経営されている昔ながらの旅館に泊まりました。
翌朝、窓を開けると川の向こうに満開の桜並木が見えました。
いずみ旅館のご主人から、今年は大法師公園へのシャトルバスの運行がないことや、鰍沢口駅にはタクシーがいないので、市川大門で降りた方が良いことを教えていただきました。
鰍沢口駅は特急も止まる駅なので、当然、タクシーに乗ることができると思っていたので、この情報はとてもありがたかったです。
いずみ旅館のご主人のアドバイス通り市川大門駅で降りてタクシーに乗るつもりで電車に乗りました。しかし、窓の外を眺めているうちに気持ちが変わりました。
こんなに気持ち良い天気なのにタクシーに乗るなんて勿体無い!
私は鰍沢口駅から歩いて大法師公園に向かうことにしました。
歩くこと約25分、大法師公園へ続く細い道の入り口に到着。私の目にも桜が見え始めました。
ここからは階段を登ります。「大法師公園あと15分」の看板が出ていました。
到着!休み休み歩いたので看板のところから20分近くかかりました。
うわ〜、どこもピンク、2,000本の桜は満開!
すごい、屋台が出ているではありませんか!
きっと東京では見られない光景です。山梨県まで来た甲斐がありました。
会場には桜にちなんだ曲がガンガンに流れて、お祭りムードいっぱい。大音量の音楽はあまり得意ではないのですが、この時は妙にテンションが上がりました。私はお祭り騒ぎに飢えていたのでしょうね。
私は早速ゆず饅頭と牛タン串焼きを買いました。
屋台に囲まれた広場に飲食スペースが設けられていました。人出の割に席が少なくて、私はなかなか空席が見つけられませんでした。結局桜まつりの事務局の方にお願いして席を見つけてもらいました。公園にいたお年寄りたちも、同様に座席難民になっていました。
飲食が許可されているのは飲食スペースのみでした。そのため、通常はレジャーシートで宴会する人達が、今年は皆この限られたエリアに座るので、席がすぐ満席になってしまうのでしょう。高齢者は立ったり座ったりする動作が苦手な人が多く、地べたには座りにくそうでした。もう少し高齢者の休める席があるといいのになと思いました。
桜まつり本部の建物の上が見晴台になっていました。上がってみると遠くにうっすらと富士山が見えました。
真下には屋台と沢山の花見客。人々がワイワイ賑やかに集う様子は、富士山と同じぐらい素晴らしいなと思いました。
これぞ花見、と思えるハッピーなお花見でした。
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