視覚障害者をQRコードとiPhoneでナビゲーションする「shikAI」(シカイ)というシステムが、1月27日から運用開始されました。
新しいものが好きな私、早速アプリをダウンロード。ところが、アプリは使い方の説明を受けないと使えませんでした!
アプリをダウンロードしたら、メールや電話番号を登録します。後日、担当の方から説明日の案内があります。この説明会に参加すると利用できるようになります。
尚、アプリの使用は視覚障害者に限られますが、今のところ障害者手帳の提示は求められないようです。
詳しいアプリの説明はこちらをご覧ください。
https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews210118_g01.pdf
こちらはアプリを開発したリンクス株式会社のホームページです。App Storeへのリンクがあります。
https://www.linkx.dev/products/shikai-sub
私は2月15日の午後、東京都盲人福祉協会で行われた説明会に参加しました。アプリをダウンロードしてから約2週間後でした。
東京都盲人福祉協会の歩行訓練士の方が1人ということで、頻繁には説明会を開催できないそうですが、3月は週1回、説明会開催の予定とのことです。
説明会では最初に氏名と連絡先の確認をします。その後メールアドレスにパスワードが送られ、これを入力するとshikAIが使える状態になります。アプリを開発したリンクス株式会社から、アプリの概要やプライバシーポリシーなどの説明、質疑応答で座学は終了。
その後、会場の東京都盲人福祉協会の最寄駅、東京メトロ副都心線の西早稲田駅に移動して、アプリの使い方の指導を受けました。
「shikAI」は点字ブロック上に設置されたQRコードの情報を、iPhoneのカメラで読み取り、現在地から目的地までのルートを音声で案内するシステムです。
まずはアプリを設定します。文字の大きさ、音声の速さ、ピッチ、説明内容などの設定ができます。チュートリアルもあるので、使い方と説明のサンプルを聞いておくとスムーズに歩行開始できます。
QRコードは点字ブロックの上に複数設置されています。QRコードが見えなくても、点字ブロックに沿ってスマホのカメラを下に向けて歩けば、自然にカメラがQRコードを捉えるようになっています。
ここで少し点字ブロックについて説明します。点字ブロックには誘導ブロック(線状ブロック)と警告ブロック(点状ブロック)の2つがあります。誘導ブロックはまっすぐ進んで大丈夫という意味です。警告ブロックはホームの端や階段の手前などの危険な場所や、誘導ブロックの分岐点などに設置されます。「shikAI」のQRコードは視覚障害者が注意を払う警告ブロックの上に設置されています。
私は後日、乗り換えの練習をするために、千代田線と副都心線が通る明治神宮前駅に行ってみました。
ホームでアプリを起動すると、QRコードを読み取るよう指示があります。
ここで私、イヤホンを持ってきていないことに気がつきました!電車の音がうるさいので、イヤホンは必要です。
次に行き先を選びます。出口やトイレ、駅構内の店舗などが選択できます。
目的地を選ぶと、「shikAI」は目的地までの距離と、通過する点状ブロックの数を伝えます。その後はQRコードをスキャンする度に、音声で「直進5メートル」などとナビゲーションします。
経路を外れてしまっても、警告があり、正しいルートへの音声ガイドがされます。音声ガイドが聞き取れなかった時は、リピートをタップするか、iPhoneを横に振ると、もう一度聞くことができます。
階段の手前では、段数や踊り場の数も案内してくれます。
エレベーターでは、ボタンの位置や降りる時に反対側の扉が開くといった情報も提供されます。
音声に慣れていない私は、最初は画面やQRコードを見ようとして、下ばかり見ていました。
しかし、しばらくすると慣れてきて、普段通り歩けるようになりました。歩くのが速い方は、写真のようにiPhoneを傾けて、少し先のQRコードを読み取ると良いようです。
私は、少しは見えるので、音声ガイドを常に聞く必要はありません。しかし、電車から降りた時、案内表示が遠くて見えない時があります。目的地が右の方なのか、左の方なのかだけでも分かると助かります。
現在「shikAI」の対応駅は下記の5駅です。
千代田線・副都心線の明治神宮前
有楽町線の新木場駅、辰巳駅
副都心線の北参道駅、西早稲田
2021年4月までに下記の4駅が対応予定だそうです。
銀座線の外苑前駅
有楽町線の東池袋駅、護国寺駅、豊洲駅
QRコード設置駅が増えて、さらに他の鉄道会社にも広まってほしいと思いました。
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