プライドハウス東京レガシーの運営に携わる、ファーブルさんと前田さん

     


2020年10月、東京に日本初のセクシャルマイノリティ(以下、LGBTQ)をテーマにした常設の総合施設「プライドハウス東京レガシー」がオープンしました。
私は日頃から、「多様な個性が尊重される社会になればいいな」と考えており、ダイバーシティの時代を切り開いていくようなスポットを探していたところ、この場所を知り、行ってみました。
プライドハウス東京レガシーは、35の団体・専門家、15の企業、19の駐日各国大使館と連合代表部(EU)、アスリートやスポーツ関係者などがセクターを超えて連携し、LGBTQに関する情報発信を行い、性的指向・性自認に気兼ねすることなく、安心・安全な居場所を作るために立ち上げられました。
イベントができる多目的スペース、相談を受けられる個別スペース、LGBTQに関する資料を収める本棚があります。予約不要で、ふらっと訪れることもできます。
「LGBTQについて最近聞くけど、よくわからないので相談したい」、「LGBTQをテーマに交流したい」という場合におすすめです。

施設の運営に携わる、オリビエ・ファーブルさん(写真左)と前田邦博さん(写真右)が案内してくれました。

入口付近にあるモニター。
入り口付近にあるモニターでは、LGBTQへの理解啓発をテーマにした動画が流れています。LGBTのアライ(支持者)を公言するスポーツ界の有名人が、LGBTQに寛容な社会を願うメッセージを語っています。

カウンター。レインボーフラッグがかかっている
カウンターです。LGBTQフレンドリーを象徴するレインボーフラッグが掛かっています。LGBTQの人々は、レインボーの旗が入り口に掛かっている店があると安心して入れるようです。
コロナ感染対策のため、大きな飛沫防止シートが掛かっています。
近い将来、ここでカフェを運営していく予定とのことです。

カウンターに設置されたコミュニケーションロボットOriHime
カウンターには、話題の遠隔コミュニケーションロボットOriHimeも設置されていました。この日設置されたばかりでした。これからどんな活躍をするのでしょうか。

世界各国のLGBTQをテーマにした絵本の並ぶ本棚
カウンターから見て左と右に、本棚が2つあります。1つ目の本棚には、世界各国のLGBTQをテーマにした絵本が並んでいます。
LGBTQへの認知の進んだ国では、子供向けに同性カップルの存在を教える絵本が出版されています。そのなかには日本語に翻訳されている絵本もあります。

大人向けのLGBTQをテーマにした本や漫画の並ぶ本棚
2つ目の本棚には、大人向けのLGBTQをテーマにした本や漫画が並んでいます。例えば、ドラマ化されて話題になった漫画「弟の夫」や、企業向けの理解啓発本などがありました。

プライドハウス東京レガシーで配布されている冊子
こちらはプライドハウス東京レガシーで配布されている冊子、「誰も排除しないスポーツ環境づくりのためのハンドブック SPORTS for EVERYONE(第2版)」。
プライドハウス東京プロジェクトは、東京2020組織委員会の公認プログラムになっています。日本でもオリンピック・パラリンピックを契機に、スポーツにおけるLGBTQへの理解啓発を深めようという取り組みが始まっています。この冊子は、スポーツに関わる人すべてに知ってもらう目的で作られた、LGBTQの基礎知識、LGBTQがスポーツをするうえで困ること、みんながスポーツを楽しむことができる環境づくりのためのヒントについて書いています。
スポーツをする人、見る人、支える人、スポーツの世界のあらゆるところにLGBTQの人々はいます。
「みんながスポーツを楽しめる社会づくりは、みんなが生きやすい社会づくりにつながる」ということです。私もそう思います。

プライドハウス東京レガシーには、この他にもLGBTQの理解啓発をテーマにした様々な冊子がおかれています。LGBTQの職場での課題、生活全般、健康、老後などに関する冊子もあります。

オールジェンダートイレ
これは「オールジェンダートイレ」といって、性別表示がされておらず、どの性別でも使える男女兼用トイレです。私はこういうトイレを初めて見ました。
見た目と自認する性が異なるトランスジェンダーの人は日頃から、「男女別々のトイレがあったらどちらに入ればいいのか」という悩みを抱えています。そうした人も快適に利用できるように配慮したトイレが、こういうトイレです。
一番右のドアの向こうは、車いすでも入ることができ、オストメイト用設備やおむつ替えシートもある多目的トイレです。

プライドハウス東京レガシーにあった交流会の告知
発達障害でありLGBTQでもある、ダブルマイノリティな人のための交流会の告知もありました。(例えば、自閉症スペクトラムでゲイ、ADHDでトランスジェンダーなど)
発達障害とLGBTQ両方の話が気兼ねなく話せる会であり、会話が苦手でも参加しやすい雰囲気づくりがされているとのことです。

エレベーター
プライドハウス東京レガシーの入り口は二箇所あります。一箇所目は南側入り口で、階段になっています。二箇所目は北側入り口で、エレベーターになっています。

ファーブルさん、私、前田さん
今回、ファーブルさんと前田さんに、色々とお話を伺うことができました。

Q.LGBTQの人々は、旅行する時にどんなことで困るでしょうか?

A.同性カップルのホテルの受け入れ態勢が気になります。ホテルのフロントで不審に思われないか、同性カップルでもダブルベッドの部屋で泊まれるか。
また、ツアーに参加した時に、他の参加者の目が気になってしまい、カップルであっても友人同士のふりをしてしまうこともあります。旅行は、リラックスして気を遣わず自然体でいられてこそ、十分に楽しめると思います。
都会だけでなく、地方にも魅力的な観光地は多くありますが、地方に行けば行くほど、現地の人々がLGBTQの人々と接するのに慣れていないところがあります。

Q.LGBTQ向けの旅行においては、どういったことがあると助かるでしょうか?

A.LGBTQのニーズにあった観光情報、特にローカルな情報が集まったセンターがあると助かります。例えばゲイの旅行者なら、各地のゲイタウンがどこにあるのかが気になるところです。ニューヨークのような世界的な大都市ならば、LGBTQセンターがあります。そこにいけばゲイタウンの情報をはじめ、様々な情報を得ることができます。
私達はプライドハウス東京レガシーが、LGBTQの旅行者にとってハブセンターのような存在になることを目指していきたいです。

<プライドハウス東京レガシー見学を終えて>
今の世界を見ると、LGBTQに理解ある法律やサービスができていく国と、そうでない国に二極化している傾向があります。そのなかで、日本は少しずつでも前者の方向に向かっていると感じていますし、そうなってほしいな、と思います。こうした施設ができたのも、小さな進歩だと思います。

<LGBTQとは>
女性の同性愛者「レスビアン」、男性の同性愛者「ゲイ」、両性愛者「バイセクシャル」、身体と心の性の自認が一致しない男女「トランスジェンダー」、性自認が定まっていない「クエスチョニング」など。セクシャルマイノリティにはこの他にも様々なグループがあります。


施設情報
プライドハウス東京レガシー
アクセス:東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」出口2から徒歩3分
公式サイト:https://pridehouse.jp/
住所:東京都新宿区新宿1-2-9 JF新宿御苑ビル2階
開館時間:13時〜19時
休館日:毎週 火曜日、水曜日、木曜日

女性/30代 発達障害

女性障害者メディア「ココライフ女子部」、障害者雇用メディア「ミルマガジン」などで執筆。寄稿、翻訳多数。大学生で発達障害と診断されるが、障害者と健常者での富士登山などを通して、挑戦や多様性の価値を信じる。海外の多様性にも関心あり。
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旅行エリア
関東, 東京都, 新宿区
旅行期間
対象読者
視覚障害 聴覚障害 肢体不自由 車いす 電動車いす 歩行補助具 発達障害 知的障害 精神障害 内部障害 高齢者 マタニティ 乳幼児連れ 補助犬ユーザ
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