エジプトのホテルで働く男性

     


圧倒的にハード面が厳しかったカイロ、相変わらずのバリアフル安宿。
そんなホテルを好きになったとある男性の行動を語ります。

車から顔を出す少年
羽田空港からドバイを経由して、ルクソールで観光を終えた後飛行機でカイロ空港へ。

まずウーバーで空港までお迎えをお願いし、20分くらいうだるような暑さの中で待ちぼうけ。

到着したドライバーさんは英語が話せませんでした。

まぁこれはあるあるなので、iPhoneで言語をアラビア語に変えてホテル予約サイトで予約したホテルのインフォメーションを見せます。

こうすれば大概どこの国でも目的地へ連れてってくれます。



エジプトの市場
ちゃんと場所は把握してくれたにも関わらず、なかなか目的の宿までたどり着きません。

「バレンシアアパートメント」という場所なのですが、車からはそのような宿は見つからず…

挙げ句の果てにはドライバーさんは降りて車椅子を押してくれながら探してくれました。

しかしそれでも見つからず…


気がついたらそこそこの野次馬が僕を取り囲んでいました。

みんなアラビア語であーだこーだと僕のためになにかを言い続けてくれているのが分かります。

それでも誰一人英語が話せず途方に暮れていました。

※ちなみにこの時点で空港から市内に到着してから1時間は経っていますが
ドライバーのお兄さんは文句一つ言わずに着いてきてくれいます。
(精算も終わってます)

そんな中、片言ですが英語を話せるおじちゃんが現れました!

僕「バレンシアアパートメントに行きたいんだ!知ってるかな?」

と聞くと

英語おじちゃん「バレンシアホテルならあるぞ」

僕「いや、間違いなくバレンシアアパートメントなんだ…
バレンシアホテルがあるのも知っている。」

英語を話せるおじちゃんが近くにいた別のホテルの従業員的な人に声をかけ、バレンシアアパートメント知ってるか?と聞いてくれていて、あぁなんて優しいんだと感動の連続。


ホテルの入り口
するとそのホテルの従業員的な人が、ちょっと待ってろと言ってバレンシアホテルの担当者と電話を繋いでくれます。

そしてその数分後バレンシアホテルの担当者が来てくれました!

彼はムスタファと名乗り、
僕より若くパリッと白シャツにネクタイの好青年でした


ムスタファは流暢な英語で

「バレンシアホテルとバレンシアアパートメントは同じエリアにあるんだ、だがどちらも階段があって…もしアパートメントのほうに泊まるなら自分1人でその段差を上がっていかないといけないが、ホテルに泊まるならば俺たちがいつでも担いでやるぜ。」

僕「ホテルとアパートメントは同じ料金?」

ムスタファ「もちろんだ!泊まるかい?」

僕「お願いします!」

ホテルの段差
ホテルまで連れてってもらうと、入り口に段差が1段、受付までのエレベーターまでに階段が10段以上…

部屋の入り口に段差が1段というバリアッぷり。

これはアウトだ…
それでなくても慣れないアフリカ、炎天下、ホテルを一時間以上探した疲労でもうクタクタ。


しかしムスタファ含むホテルの従業員さん達は嫌な顔一つせず運んでくれました。


狭い部屋
ムスタファに案内された部屋に入るとトイレは車椅子の幅が通らず使用不可。

シャワーは壊れていて、
シングルベッドが一つだけの質素過ぎる部屋…

もうダメだ…

まぁ一泊だけ耐えよう!
そして明日はまた別のホテルを探そう。



手渡されたクロワッサン
そうしてうなだれてると、ムスタファはスッとどこかに行ってしまいました。

そしてすぐ戻ってきて、その手には近くの売店で買ったであろう小さなチョコクロワッサンを持っていました。

元気を出してという意味だったのでしょうか。
優しい笑顔で手渡されました。

僕は涙を流しながらかぶりつき、心からお礼を伝えました。


大きなペットボトルの水
そして、この階段だと外にあまり出かけられないから水を買いたいんだ…と伝えると

「大きいのがいいか?小さいのがいいか?」

と聞かれて、

「大きいほうで!」

と伝えると、すぐに買ってきてくれました。

いくら?と聞くと

「一回目だけ無料だぜ♫(ニコッ)」

と超優しいスマイルで水を手渡してくれました。


カイロの救世主ムスタファと
最初、なんだこのホテル…
全然バリアフリーじゃないし狭いし散々だ…

と思っていたのですが、僕はこのホテルで残りの滞在期間を全て過ごす事にしました。

それはどんなバリアをも超える、ムスタファ含むエジプト人スタッフ全ての心のバリアフリーのおかげでした。

僕はエジプトが大好きです。

お節介にも近いほど優しくて人懐っこい彼らの魅力、是非いつか足を運んで体感してみて下さい。

男性/30代 肢体不自由, 車いす

《経歴》
18歳の頃バイク事故で首の骨を折り頸髄を損傷、両手両足に麻痺が 残り車椅子生活を余儀無くされる。 会社員の時に一人でハワイに旅行し、世界観が広がる。
その後海外の暮らしに憧れを持ちLAやオーストラリアに短期移住。
帰国後会社員として再度働き、お金を貯めてから世界一周を決意。
約9ヶ月間23カ国42都市以上を回り、世界一周達成。

現在は車椅子の旅人として全国で講演/執筆活動
エイチ・アイ・エスユニバーサルツーリズムのスペシャルサポーターとして、国内外に赴き車椅子でも旅行しやすいツアー造成の監修などを行なっている。

トミーヒルフィガーアダプティブオフィシャルサポーター
YouTubeチャンネル『Miyo Channel』運営
https://www.youtube.com/channel/UCwKAtfs3eE39D1WfHo_ivcA

2019年7月に光文社より「No Rain, No Rainbow 一度死んだ僕の、車いす世界一周」を出版。

使用車椅子
TiLite TR/2GX

好きな国
タイ/エジプト/アメリカ

旅行エリア
アフリカ, エジプト, カイロ
旅行期間
対象読者
肢体不自由 車いす
見つけた設備・特徴 ピクトグラムの説明 新しいウィンドウで開きます
なし
関連タグ
エジプト#心のバリアフリー