美術館内の庭園の噴水と紅葉


【河口湖 音楽と森の美術館(旧:・河口湖オルゴールの森)の旅行記・おでかけの目次】
① 弾きすぎ注意! 「自動演奏楽器」の魔力
② 今も聞ける、タイタニックに乗船予定だった楽器
③ これもオススメ!全長20mのオルガンホール
④ 意外と深い!?オルゴールの歴史
※今回の観光スポットのバリアフリー情報・概要


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① 弾きすぎ注意!「自動演奏楽器」の魔力
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ボクは吸い込まれるように、ソレに手を伸ばしました―――

ここは、『河口湖 音楽と森の美術館』
「全盲/弱視問わず、視覚障がい者が楽しめるスポットだよ!」と大勢の当事者の友人にオススメしてもらい、やってきました。

音楽に疎い(うとい)おじさんでも楽しめるのか・・・
不安を抱きつつ、最寄りのバス停で下車。

すると、出入り口にソレはありました。

人の肩ぐらいの高さの自動演奏楽器



「自動演奏楽器」
その名の通り、自動で演奏をしてくれる機械なんだとか。
昔の貴族や富裕層が「いつでも気軽に音楽を楽しみたい!」という思いから作られたそうです。

ボクはその不思議なつくりに、吸い込まれるように手を伸ばしました。
レバーを回すと、笛のような音、アコーディオンのような音などが流れます。

レバーの緩急で演奏のテンポも変わる。
きれいな音を奏でるため、回す速度を調節していきます。
楽器が弾けないボクも、「自分の手で弾いてる感」が味わえるので、結構楽しい。
夢中になってレバーを回すおじさん。

ふと我に返ると、道行く人がボクに冷ややかな視線を送っています。

そりゃそうだ。
おじさんが、大通り沿いで必死の形相をしてピロピロ鳴らしているんだから。





「大人の男は、人前ではしゃぐな」
伊集院静先生の言葉が、胸にしみます。





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② 今も聞ける、タイタニックに乗船予定だった楽器
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気を取り直し入場。

中へ進むと、庭園を中心にいくつもの建物が。

まず入ったのが、コンサートホールです。
ここでは、実際に楽器の演奏を聞けるんだとか。

ボクが行った回は、なんと!あの豪華客船「タイタニック号」のために作られた自動演奏楽器の演奏。
この楽器、完成が出航に間に合わず、今も残っているとのこと。


※「フィルハーモニックオーケストリオン-タイタニックモデル-」


先ほどの楽器ぐらいの大きさかと思いきや、数メートルはあります。

演奏が始まると・・・
中にくみこまれた263本のパイプや大太鼓など様々な楽器の音色が。
オーケストラ演奏を自動的に奏でています。

「80名編成のオーケストラに匹敵する音」というだけあって、音に迫力があり、荘厳な響きがします。

沈没する船。
この音色を聴いていると、想像が膨らみます。
「楽器がこの大きさってことは、タイタニック号の室内はこれぐらいかな?」
「人数は、これぐらいかな?」

そして、
「乗船者は、最期にどんなことを思っただろう?」

この楽器と対面すると、時代も越え、場所も越え、タイタニック号や乗客への思いがわいてくる。そんな歴史を伝えてくれる楽器です。





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③ これもオススメ!全長20mのオルガンホール
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次に向かったのは、オルガンホール。
なんでもここ、巨大なオルガン演奏のためにつくられ、全長は20mあるんだとか。

入ってみると・・・
や、やっぱりでかい。

オルガンホール。シャンデリアなど高級感あふれる



オルガンも見上げるほどの大きさです。


※ダンスオルガン



さて、演奏が始まると・・・

うわーーー!!
四方八方から音がやってきて、音に包まれている感じ。
音楽と一体になる感覚。
これはすごい。

ネットにも演奏の動画があがっていますが、どんなに良いイヤホンやステレオを使っても、この感覚はここでしか味わえません。

大きなのっぽの古オルゴール。



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④ 意外と深い!?オルゴールの歴史
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最後に、係の方にオルゴールの歴史を解説してもらいました。

「オルゴール」と聞くと、手のひらサイズのものを思い浮かべがちですが、人の背丈ぐらいあるものも。

また、曲の交換も今とは違ったとのこと。
開発当初、各楽器に指令を出すシリンダーの交換には、業者を呼ばなければならず、曲を変えるのも一苦労だったといいます。


ボタンひとつで曲を交換できる現代は恵まれていますね。


さっそく聞いてみると・・・

鉄琴の高い音が鳴り響きます。
それでいて、優しく包み込むような音。
音が流れだすと、穏やかな時間が流れ始めます。

「オルゴールセラピー」というのがあるそうですが、これぞまさしくですね。
その音にうっとりしながら、ボクはその場を後にしたのでした。







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おわりに
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後日、タイタニック号に乗船予定だった自動演奏楽器の動画を視聴しました。
しかしいくら聞いても、再び船内をイメージすることはできませんでした。

あの場所、あの楽器と対面しないと、タイタニック号や乗船者とは会えない―――
そう思った、おじさんなのでした。

※これは新型コロナウイルス発生前の旅行です。新型コロナ収束後にご活用ください。


※展示されているストラディバリウス


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今回の観光スポットのバリアフリー情報・概要
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▼バリアフリー情報
〇視覚障がいポイント
・全盲の方、ボクのような極度弱視の方は、同行の方がいた方が良いかも。美術館内が庭園形式で各建物が少し離れているため。また、係の方に建物内の案内はお願いできそうですが、美術館全体の同行はお願いしにくいかも。
・音声解説のない展示物もありますが、本文の通り見えなくても楽しめるものがたくさんありました。
・バス停が美術館のすぐ目の前にあり、出入口で音楽が流れているため、入り口までは迷いません。
・庭園・建物内、いずれも段差があるところが多いので注意。
・冬の場合、夕刻になると、庭園・バス停が暗め。

〇車いすユーザーポイント
・美術館内の庭園・建物内は階段あり。
・エレベーター・スロープなどが設置されているため、一部を除き移動可能とのこと(実際に、車いすでいらしていた方を目にしました)
※下記にスロープ等がない施設がまとめられています。
https://kawaguchikomusicforest.jp/question/


▼施設概要
<営業>年中無休
<時間>10時00分~16時30分(最終入館15時30分)
<アクセス>富士急行線河口湖駅下車。
・タクシーで約16分(約2,000円)
・河口湖周遊レトロバスにて約26分「河口湖音楽と森の美術館前」降車
・(土日祝日限定)マイクロバスによる無料送迎あり  など。
<料金>
・一般:大人1,800円、大高生1,300円、 小中学生1,000円
・障害者割引対象者:大人900円、 大高生650円、小中学生500円
※そのほか団体割等あり。
<URL> https://kawaguchikomusicforest.jp/
※最新情報は、必ずHP等でご確認ください。

▼近くの宿
【白杖おじさん放浪記】これなら安心!河口湖 客室露天風呂の宿
https://www.cotravel.jp/diary/index.php?uniqueid=5eedb2cc6611c


※衣装を借りてプリンセス体験もできるらしい


▼参考ページ
livedoor NEWS「奇跡の音色! タイタニック号に載せるはずだった自動演奏楽器」
https://news.livedoor.com/article/detail/7217328/

▼イラスト引用
Illust AC
https://www.ac-illust.com/

▼写真引用
船の沈没イメージ写真はphoto AC
https://www.photo-ac.com/
※タイタニックの写真ではありません。

男性/30代 視覚障害

東京都青梅市出身、練馬区在住の榎戸 篤(えのきど あつし)です。
テレビ番組の制作会社で働きながら、ライターをしています。

【障がい】
・視力は左0.04、右0。
・3歳の時、保育園で転んでケガをし、弱視に。
・現在は、白杖・単眼鏡を持ったり持たなかったりしながら、ふらふらしています。

【好きなモノ】
つけ麺/お酒/建築/読書/フロアバレー/ニュース

【執筆媒体】
・障がい者ライフスタイルメディア「Media116」
http://www.media116.jp/

・働く×障がいがテーマのコラムサイト「パラちゃんねるカフェ」
https://www.parachannel.jp/column/author/163/
など。

記事のご感想など、こちらにいただけると有難いです。
uj092021@yahoo.co.jp

記事は、ひとつひとつを丁寧に、懸命に、心をこめて・・・書かせていただきます!

旅行エリア
中部, 山梨県, 富士河口湖町
旅行期間
対象読者
視覚障害 肢体不自由 車いす 電動車いす 歩行補助具 発達障害 知的障害 精神障害 高齢者 乳幼児連れ 補助犬ユーザ その他
見つけた設備・特徴 ピクトグラムの説明 新しいウィンドウで開きます

関連タグ
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