天井が低いフロアの中央にモデル達、20人くらいの参加者、奥にドリンクスペース、壁に展示作品

     


2017年7月、あらゆる国籍や人種の人たちが行き交う世界三大都市ニューヨークにやってきた。ニューヨーク市は5行政区からなり、中でもマンハッタン島とは最大の観光地だ。かつての現地語「マンナハッタ(丘の多い島)」と呼ばれた原生林のある島をオランダの総督がビー玉、布きれなどの$24相当の品と引き換えに先住民から手に入れるという史上最悪の不動産詐欺のエピソードは有名である。世界最高峰のアートが集う都市、世界に最も影響力のある都市、世界が凝縮された都市そんな言葉に魅かれて来た。
今回はSociety of illustrators(ソサエティ オブ イラストレーターズ)で夜のスケッチ会に参加してきた話。

色鮮やかなタイル模様の壁の前で折りたたみ椅子に座り画板を持ってポーズする著者、何かを描いているよう
なんだか絵が描きたくなる時がある。

そんな私にSociety of illustrators(ソサエティ オブ イラストレーターズ)
(URLはこちらhttps://societyillustrators.org/

ニューヨークのアッパーイーストサイドにあるイラストレーターズ協会の小さな美術館。イラスト作品やアメリカンコミック作品が展示されている。最寄駅は地下鉄F線 Lexington Ave/63rd St(レキシントン アベニュー/63丁目)駅。

初めて知ったのは宿でネットサーフィンをしていた時。ネットで「ニューヨーク」「イラスト」と検索したらSociety of illustratorsがヒットした。持参していたガイドブックには記載がなかった。私はイラストや漫画が大好き。(余談だが2020年現在、社会現象を巻き起こしている漫画もばっちり読んでいる)


「毎週火曜日・木曜日の午後6時30分から有料のスケッチ会が開催され、誰でも画材持参で参加可能」


なんとニューヨークでスケッチができるのか。更に詳細を調べるためにSociety of illustratorsのホームページへ飛ぶ。
……なんてことだ。全部英語じゃないか。しかし現代の技術を侮るなかれ。こんなときは画面をクリックして「日本語に翻訳」を選択クリック!

料金は$15。ニューヨークの個性的なモデルさんが来るとのこと。

ニューヨーカーをじっくりスケッチできる機会なんてそうそうないし、自分は旅中に似顔絵を書いたりするための画材がある。そして、何より今日はスケッチ会がある木曜だ!行ってみよう!

海外での夜歩きは警戒するべきだけど、ニューヨークの夜は特に危険な感じはなく安全に歩ける
(2017年現在の状況)



スケッチ会の参加者たちが椅子に座っている、老年者が多い、壁には絵がたくさん展示
ということでやってきたSociety of illustrators。

予約しないで来たけど、普通に入れて良かった。受付で$15払って終わり。簡潔なやりとりで終わるのは本当に楽。参加しやすい〜。

日本にいる時でも初めて行く場所での支払いの時は若干緊張する。「駐車場はご利用ですか」「すぐに食べますか?(保冷剤を入れるか確認)」など想定外の言葉が出てくるとまず聞き取れなくて聞き返す。(レジ袋有料化が始まったばかりの時は「レジ袋入りますか?」と聞かれる度に聞き返していた。今は先回りして言うようにしている)
こういう時は関連した視覚情報を見せながら話ししてくれると助かる。(例:現物を見せながら「ご入用ですか?」と聞くなど)

スケッチをするところはメインギャラリーのよう。折りたたみの椅子と机が用意されていて空いているところなら自分の好きな席に座れる。モデルさんの全身が見やすいようにちょっと引いた席に座ろうっと。

モデルさんもまだ来ていないので待っている間展示されている作品を鑑賞できる。



ペットボトルの蓋のような小さな容器に入っている固形絵の具、黒鉛筆、食われかけ君
持参してきた固形透明水彩。黒色鉛筆。スケッチブック。

持参する画材は自由。描く紙のサイズもメモ帳でも大丈夫。隣席の人は現代らしくiPadとアップルペンで描くようだ。

「このスケッチ会って撮影しても大丈夫かな」と隣席の人に聞いてみると、「もちろん。当たり前さ。」というような仕草で答えてくれた。話してくれた英語は全く分からなかったが大丈夫そうなので写真も撮っちゃろ!



ポージングする白い衣装を着た女性モデル、スケッチ会の参加者たち
ついにモデルさんが来た!

スケッチ会が始まる前にスタッフから説明がある。5分でポーズを変えていき、後半には5分より長めにポーズを維持してくれるらしい。
難聴としてはこの説明には文字情報などの視覚情報が欲しいところ。

スケッチ開始!



机の上にあるスケッチブックの上に食われかけ君
机は画材置くだけでいっぱいだからこいつ邪魔なんだよぁ。

(まぁ誰かとの話のきっかけになるかもしれないから置いとこう)




背中合わせに立つモデル二人。男はカウボーイハットにベスト、女は頭にターバンを巻き上部から長いドレッド
モデルさんは男女一人ずつ。眩いほどに美しい。女性の髪型も素敵。ファッションも良い。



スケッチブックに書かれたモデルの絵、色はない、多様なポーズの絵が書かれている
シャカシャカ描く。モデルさんの美しいポーズを目に焼き付けて。撮影もして。誠に忙しい。



男モデル長い襟を両手で持ち笑顔、タンクトップとスカート&ブーツ姿の女モデル腕組み遠くを見る
途中、休憩が入りモデルさん達は衣装替えで雰囲気を変えまたスケッチ開始。このスケッチ会では2回衣装替えがある。見てるだけでも楽しい。

モデルさん達がポージングを決めると写真のように微動だにしない。ポージングもかっこよくて凄いなぁ。



水彩で簡単に色付けされた2人のモデルの絵
休憩時間を利用して水彩でちょっと色付けしてみたり。



天井が低いフロアの中央にモデル達、20人くらいの参加者、奥にドリンクスペース、壁に展示作品
これがメインギャラリーでのスケッチ会の様子。
スケッチ中は静か。みんな集中して思い思いに描いている。絵を描くって楽しい。

奥ではドリンクを売っていて好きなドリンクを買うことができる。

Society of illustratorsの建物は4階建てで地下1階メインギャラリー、1階ショップ、2階コミック・漫画専門、3階にはバー&ビストロがある。建物が古くてエレベータはないみたい。だからなのかホームページには車いすの人はメインギャラリーのみ行けるとある。
階段を昇降できる車いすとかも出てきているようだし、何か解決できるいい方法はないものだろうかと思った。



椅子に座りポージングするモデル、ヘソだしタンクトップ姿の女、長髪下ろしストールマフラータンクトップ男
最後の衣装替え。どの衣装も素敵。女性のモデルさんはターバンも変えてきている。



スケッチブックに漫画風に描かれた椅子に座った女性モデル、画材、食われかけ君
あっという間に時間が過ぎて最高のスケッチ会が終了。スケッチ会では参加者が描いた絵を批評することもない。参加者も淡々と片付けを始める。モデルさん達も終了すると颯爽と帰っていった。

ただ自分が楽しむために描くスケッチ会。

自分は漫画風にデフォルメした絵を色付けまでしたくて片付けるのが最後になってしまった。帰り際に「あなたの絵かわいい」と行ってくれた人がいて嬉しかった。


2020年11月現在、ニューヨークでも新型コロナウイルスが猛威をふるっている中、Society of illustratorsではオンラインでのバーチャルスケッチ会が開催されていた。料金は$15。日本からでも参加出来るだろうか。トライしてみようかな。


上手い下手は関係ない。絵を描くのが好きな人へ、ここのスケッチ会はおすすめ。画材も自由。批評もない。描くのに疲れたら少し筆をとめてモデルさんを眺めるのも自由。
絵を描いたことない人も料金を払うだけで気軽に参加できる。

そして刺激的で最高のモデルがやってくる。

スケッチ会でニューヨークの夜を過ごすのはいかが?

男性/30代 聴覚障害

外国に行くと「ケニチロ」と呼ばれてしまう著者。
宮城県仙台市在住。生まれつき両耳70dBの聴覚障害があり補聴器をつけている。口話と手話を使う。英語など外国語が話せないが海外では知っている単語やジェスチャー、筆談を駆使してコミュニケーションを取る。
イラストなどのグラフィックや似顔絵の仕事をしている。読書や旅が大好き。この世界のことをもっと知りたい。私の旅の話が読者の旅の役に立てれば嬉しい。
障がい者のライフスタイルメディアMedia116で漫画連載。URLはこちらhttp://www.media116.jp/
ケンイチローのTwitterはこちらhttps://twitter.com/tdk1r

旅行エリア
北米, アメリカ, ニューヨーク
旅行期間
対象読者
聴覚障害 車いす 電動車いす
見つけた設備・特徴 ピクトグラムの説明 新しいウィンドウで開きます
なし
関連タグ
難聴ろう聴覚障害スケッチ会ニューヨーク車いすアメリカアート美術館