グラフィティが描かれた壁の前に佇む著者、ゴーグルをつけた大きい鷲とかじられたリンゴのグラフィティ

     


2017年7月、あらゆる国籍や人種の人たちが行き交う世界三大都市ニューヨークにやってきた。ニューヨーク市は5行政区からなり、中でもマンハッタン島とは最大の観光地だ。かつての現地語「マンナハッタ(丘の多い島)」と呼ばれた原生林のある島をオランダの総督がビー玉、布きれなどの$24相当の品と引き換えに先住民から手に入れるという史上最悪の不動産詐欺のエピソードは有名である。世界最高峰のアートが集う都市、世界に最も影響力のある都市、世界が凝縮された都市そんな言葉に魅かれて来た。
今回は壁に描かれたグラフィティを見にマンハッタンから離れたアートエリアに行った時の話。

革ジャンを着た長髪の人がグローブをつけた拳を合わせているグラフィティ。周りにはペンキを散らした模様
グラフィティの存在が強いニューヨーク。マンハッタンを歩くと所々にグラフィティを見ることができる。

宿でガイドブックを読んでいると、「ブッシュウィック(Bush Wick)」「アーティストたちの新メッカ」「巨大壁画」という言葉が目に入った。

マンハッタンから離れたブッシュウィックでは治安改善のために始められたアートプロジェクトにより、たくさんのグラフィティが作られ治安が良くなり今では観光スポットにもなっているという。

基本的に所有者以外の人が許可なしに建造物にスプレーなどで絵を描くというのは違法で、グラフィティがあつまるスポットというのは少ない。

「見てみたい」

最寄駅をネットで調べると「地下鉄LトレインのMorgan Av(モルガン アベニュー)駅またはJefferson St(ジェファーソン ストリート)駅が便利」と出てきた。二つの駅間は徒歩で約15分ほど。とりあえずMorgan Av駅に行こう。
(前回の記事に登場したガンジー像のあるユニオン スクエアからMorgan Av駅まで電車で14分)

ブッシュウィックのグラフィティはJefferson St駅近くのTroutman Street(トラウトマン ストリート)とStarr Street(スター ストリート)に多くあるらしい。

それ以外の情報はあまりなかった。つまりこれから行くMorgan Av駅周辺にはどの辺りにどういうグラフィティがあるのか分からない。

今回は旅というより散策という感じだけど、どんなものに出会えるだろう。




モルガンアベニュー駅構内
Morgan Av駅。

駅から外に出ると閑静なところだ。グラフィティも見当たらない。ふふん。簡単には見つけさせてはくれないということか。

絶対にグラフィティ見つけるからな!
静かに心を燃やし散策開始。



制帽、スーツ姿高齢男の上半身、下半身がバグパイプ奏者、川崎公害裁と書かれたタスキ、手が三つ、鶏を抱く
そして見つけた最初のグラフィティはコラージュなもの。
「落ち着きなさい。そして感じるのです。アートは近くにある」と語りかけてくるようだ。



交差点がバツのに見えるアングル、通学路らしき標識の向こうにたくさんのグラフィティフォントが書かれた壁
そしてすぐグラフィティが集まる交差点を見つけた。色鮮やか〜。溢れる非日常感。





右端から左へ歩道を走る三人の子ども、壁にグラフィティフォントがびっしり、更に後ろはレンガ壁
子ども達が通りを駆け抜けていく。どこかへ遊びに行くのだろうか。背景のグラフィティがはしゃぐ子ども達に呼応しているみたい。大冒険にいくようなストーリーが思い浮かぶ。




青空の下の工場、絵が描かれた錆びた壁、広い歩道と車道に2人と1台の車、手に持った食われかけ君
Morgan Av駅周辺はザ・工業地帯という感じで人通りも車通りも少ない。お店からも少し離れているようだ。停まっている車の向こうにカラフルな服を来た女性2人が歩いていた。

こういうところはおひとり様でも撮影しやすい。難聴だと後ろから人や自転車、車が近づいてきても気がつけない場合がある。

360度見渡しして撮影できるか確認。ここは歩道も広いし、見晴らしも良いから確認も楽。ニューヨークは基本的に歩道と車道が分けられていて、歩道も広いから安心。
インドですれ違うのにもやっとの狭さの路地を歩いていた時、普通にバイクがビューン!と走ってたりしていて怖かった。



青空とグラフィティフォントが描かれた壁
静かでグラフィティたちが賑やか。そんな不思議な場所。Morgan Av駅付近はグラフィティフォント(文字)が多い印象。
(2017年7月現在の印象です)



グラフィティフォントが描かれた壁と食われかけ君
グラフィティをバックに撮影。



左から崩し文字のグラフィティ、睨んでいる黒人の男の子の絵、蛇がS形のSPYの文字、手前に食われかけ君
グラフィティと一緒に撮影するだけで個性的な写真が撮れます。
題名「アートの威を借るちんちくりん」


ホイールローダー、食われかけ君
通りにあったホイールローダー。こういう建機を見ると男心がソワソワして何故か撮ってしまう。食われかけ君がどこかにいるので暇つぶしにどうぞ。



I AM PANDAの文字とパンダの絵、隣には龍の漢字が5つと梅の花と龍の絵、英語で辰年と書いてある


パンダと色鮮やかな竹やぶ、MCMSDの白文字が上書きされている
パンダのグラフィティ。漢字も違和感がなく、色の塗り方にもあまりアメリカっぽさ感じないから中国の人が描いたのだろうか。

なんだかラーメンが食べたくなってきて近くのラーメン屋さんに行こうかと思ったけど、なんだかで済まされない値段だったので断念。スーパーとかで安いベーグルでも買っとくんだった。(ベーグル3個入り$1で買えるところがある)



巨大な手、指の先には手袋はめた小さな5本指の手があり何かを掴むよう
横幅いっぱい活用した迫力あるグラフィティ!

自分もグラフィティと一緒に撮りたくなってきた。人もいないのでカメラを地面に置いての撮影。



グラフィティが描かれた壁の前に佇む著者、ゴーグルをつけた大きい鷲とかじられたリンゴのグラフィティ
この画像は私のカバー画像に使うことになったもの。この鳥のように好きなところにビュンと飛んでいきたい。




夕焼けと工場のシルエット
日が沈み夕焼けになってきた。晴天下のグラフィティ鑑賞はそろそろ幕引き。

一通りMorgan Av駅周辺を散策した後、Jefferson St駅付近まで行きそこでも色々なグラフィティを見たがカメラに残っていたのはこれらのグラフィティだけだった。

Jefferson St駅付近は住宅街で人通りもあり、通りにはお店もあってお洒落。この付近のグラフィティはブッシュウィックコレクティブと呼ばれネットでも多くアップされているので興味のある方はチェックして欲しい。人通りも車通りもある分ひとりだと撮影するのは大変かもしれない。

後になって気づいたことだが、散策したMorgan Av駅付近はブッシュウィックではなくイースト・ウィリアムズバーング(East Williamsburg)というところだった。

無骨な工業地帯のアートエリアはMorgan Av駅付近。
お洒落な通りのアートエリアはJefferson St駅付近。
というのが自分の印象だ。

グラフィティは自然に色あせて消えてしまうか、すぐに消されてしまう。あるいは何者かに上書きされてしまうかもしれない。今回ご紹介したものも今も残っているかは定かではない。儚いという言葉はグラフィティにそぐわない気がするけど、すごいと思えるグラフィティに発見できたらラッキーだと思う。

海外旅行を計画する時にグラフィティスポットがあるかチェックすると楽しみもまた一つ増えるかもしれない。

ブッシュウィック周辺でも新しいグラフィティティがあなたを迎えてくれるかも。




男性/30代 聴覚障害

外国に行くと「ケニチロ」と呼ばれてしまう著者。
宮城県仙台市在住。生まれつき両耳70dBの聴覚障害があり補聴器をつけている。口話と手話を使う。英語など外国語が話せないが海外では知っている単語やジェスチャー、筆談を駆使してコミュニケーションを取る。
イラストなどのグラフィックや似顔絵の仕事をしている。読書や旅が大好き。この世界のことをもっと知りたい。私の旅の話が読者の旅の役に立てれば嬉しい。
障がい者のライフスタイルメディアMedia116で漫画連載。URLはこちらhttp://www.media116.jp/
ケンイチローのTwitterはこちらhttps://twitter.com/tdk1r

旅行エリア
北米, アメリカ, ニューヨーク
旅行期間
対象読者
聴覚障害
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なし
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ろう難聴聴覚障害ストリートアート壁絵グラフィティニューヨークアメリカ