識名園の木のぬくもりを感じる建築物とエメラルドグリーンの景色。


【今回の旅行記・おでかけの目次】
① 古来の沖縄そばが、ここで!「てんtoてん」
② 世界遺産「識名園」のヒミツ


※現代の沖縄そばのイメージ


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① 古来の沖縄そばが、ここで!「てんtoてん」
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―――古来の製法を守る、沖縄そば屋がある―――
そんな情報を得て、ボクは国際通りから歩き始めました。

しかし突如、猛烈な雨が。
みんな水たまりをうまくよけていきますが、ボクは水たまりが見えず、バシャバシャ足を突っ込みます。

最初は「メッチャ濡れた!」と一人でリアクションをとっていました。
が、途中からノーリアクションで足を突っ込むように。
外から見たら、水遊びしてるおじさんにしか見えません。

水たまりに寝転ぶおじさんのイラスト。
と、やっと到着。
ボクの服は、着衣水泳の後みたいになってます。
店に入るのが、急に恥ずかしくなりました。

が、せっかくなので入店。
店の方は、白杖を持ったボクを気遣い、手前の席に案内してくれました。

昔ながらの建物の店内。窓から緑の光がさす。
さっそく名物、古来の製法でつくった「木灰そば」を注文。

この製法では、かん水は使わず、木の灰を水に入れ、その上澄み液をつなぎに使っているんだとか。

噂の沖縄そばと、古来のコメで作ったというおにぎり。
いただいてみると・・・

繊細なうどんのように、ぷるんとした食感。
後味がさっぱり。

「絶品か?」と問われると、「んー、どうでしょう」と言いたくなる味(←店の方ごめんなさい)ですが、素朴でホッとする味です。
沖縄そばの源流を知れて、何かうれしい気持ちにもなりました。


識名園のきれいな芝生と池。
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② 世界遺産「識名園」のヒミツ
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店を出ると、雨もやんでいました。
店の座布団を濡らしてきたことが悔やまれます。

気を取り直し、識名園(しきなえん)へ。
中国皇帝の使者をもてなすためにつくられた庭園なんだとか。

受付に行くと、「一緒に行きましょうか?」と親切に言ってくれました。

しかし、ボクは迷うことなく断りました。
着衣水泳姿で、もう人に迷惑はかけたくない。
もう罪を犯したくない。
すっかり刑期を終えた元受刑者のような気持ちになっていました。

フェンスの上に広がる青空。



入園すると、石づくりのデコボコな道が。

「ここ危ない!なんとかして!」と、白杖でポンポンやりつつ、進んでいきます。

沖縄古来の木々が並ぶ道。



そこを抜けると、沖縄と中国の様式が混ざり合ったような建物が。

建物に近寄ると、係員の男性が来園者に建築の説明をしていました。
話は聞きたい。
だけど、今のまま誘導させるのは申し訳ない。

「そうだ!」と、ここでヒラメきました。
白杖を折り畳み、健常者になりすます作戦。

「助けは必要ありませんよ」という余裕の表情を浮かべ、徐々に間合いを詰めるボク。

男性が笑顔で「ここで靴抜いてください」と声をかけてくれました。
よしよし、と靴を脱ぐボク。

ホッとしたのもつかの間、係員さん。
「あ、何かお手伝いしましょうか?」


きゃーーーー!!!!
バ、バレた!
この人、ワタシのこと見てたのね!

赤面するボク。
他人よりも目が悪い事実を、ここで思い知らされました。







気を取り直し、案内をお願いすることに。
実はこの男性、庭園のことを専門にする先生とのことでした。

「建物の段差、けっこうありますよ」と言う先生の手を借りながら、建物内へ。
先生の目を盗み、再び白杖をちょっとずつ伸ばしていくボク。

廊下を歩くと、芝生と池、沖縄の自然が感じられ、心地よい。






爽やかな空気を全身で味わいながら、木の香りのする柱を触っていると、風景の中に心が溶けていくような気持になりました。









識名園には展望台もあり、先生が連れて行ってくれました。


展望台からの眺め。陸地しか見えない。



先生「ここからは海が見えないようにしてあるんですが、なんでだと思いますか?」

ボク「潮風を避けるためですか?」

先生「いえ。違います。ここには中国の使いが来ていたんです。その人たちに「琉球王朝って、海が見えないぐらいデカいんだよ」って見せたかったと言われています」

ボク「な、なんか、ウソがかわいいですね 笑」

先生「だから、使いをここまで案内する時も、まっすぐ連れてこず、遠回りさせて、土地を大きく思わせたんです」

大国に囲まれた琉球ならではの、防衛方法、ヒミツだったんですね。


そして先生は出入り口へ。

先生「沖縄戦で識名園のものはほとんど焼けてしまったんです。でも、これ」

と言いながら、ボクが入ってきたとき文句を言ってた石づくりの道を指差す先生。

先生「これは焼け残った貴重なものなんですよ」

ボク「へ、へ~。やっぱり歴史を感じますもんね~」

顔をひきつらせながら、ボクは中身のない言葉を吐いたのでした。
無知とは恐ろしいものです。






そのあと、先生はバス停まで案内してくれました。
時刻や行き先までしっかり調べてくれて。

最後に、「では」と言って、がっしり握手。
雨雲はすっかり晴れ、空は真っ赤な夕焼けに変わっていました。
夕日に照らされる先生の背中を見ながら、「また会えるかな」とボクは思ったのでした。







▼各施設の詳細情報
■てんtoてん
営業:11:30~15:00
定休:日・月
アクセス:那覇バス 2・3・4系統「識名」下車、徒歩1分、沖縄都市モノレール線「安里駅」より徒歩32分(タクシー10分 900円前後)、沖縄都市モノレール線「首里駅」より徒歩40分(タクシー10~15分 1000円前後)、沖縄都市モノレール線「壺川駅」より徒歩55分(タクシー10~15分 1000円前後)
TEL:098-853-1060
住所:沖縄県那覇市識名4-5-2
○弱視ポイント
・モノレールの駅からは遠いので、バスかタクシーがオススメです。
・住宅街にあり、店の場所が少しわかりにくいかも。
・店内は照明弱め(ただ窓が大きいので、晴れている日中に行けばある程度見やすいかも)
・入り口で靴をぬぐ形式。
・ボクの場合、店員さんにお願いし、あいていたので、出入口側に座らせてくれました(出入口すぐの席は靴抜いてすぐのところにあるので、移動は楽です)。
・店員さんは親切で、席の配慮、メニューの読み上げなど対応してくれました。


■識名園
営業:
4月1日~9月30日→9:00~18:00(入場締め切り17:30)
10月1日~3月31日→9:00~17:30(入場締め切り17:00)
休園日:毎週水曜日(その日が休日又は「慰霊の日」(6月23日)のときは、その翌日)
アクセス:識名園前バス停下車
市内線(那覇バス)
2番 識名・開南線
3番 松川新都心線
4番 新川おもろまち線
5番 識名・牧志線
14番 牧志開南循環線
入園料:大人400円、中学生以下200円(団体・大人320円、中学生以下160円)、就学前 無料
※障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳提示で、本人と介助者1名無料
TEL:098-855-5936(識名園管理事務所)
URL:https://www.city.naha.okinawa.jp/kankou/bunkazai/shikinaen.html
○弱視ポイント
・バス停から降りてすぐなので、場所は見つけやすいです。
・石橋や石畳の道があるため、少し歩きにくい箇所があります。(ちなみに、歩きやすい靴で行くことがオススメです)
・事務所の方・園内の方など、声をかけてくれる方が多いので、案内をお願いしやすいです。
・ガイドボランティアの方に案内をお願いできる日があるようです。
※各施設の情報は、必ずお出かけ前にご確認・お問い合わせください。


▼参考ページ・書籍
Smart Magazine OKINAWA 「琉球王朝文化と自然!世界遺産「識名園」の意外な楽しみ方」
https://www.smartmagazine.jp/okinawa/article/sight/10366/

沖田民行著「沖縄世界遺産写真集シリーズ02識名園」(ゴマブックス株式会社)


▼引用ページ
イラスト&フェンス上の青空の写真は引用、ACイラスト等
https://www.ac-illust.com/?yclid=YSS.1000030510.EAIaIQobChMIqbfpvcrh7AIVTsEWBR3ghQvoEAAYAiAAEgJmAPD_BwE

男性/30代 視覚障害

東京都青梅市出身、練馬区在住の榎戸 篤(えのきど あつし)です。
テレビ番組の制作会社で働きながら、ライターをしています。

【障がい】
・視力は左0.04、右0。
・3歳の時、保育園で転んでケガをし、弱視に。
・現在は、白杖・単眼鏡を持ったり持たなかったりしながら、ふらふらしています。

【好きなモノ】
つけ麺/お酒/建築/読書/フロアバレー/ニュース

【執筆媒体】
・障がい者ライフスタイルメディア「Media116」
http://www.media116.jp/

・働く×障がいがテーマのコラムサイト「パラちゃんねるカフェ」
https://www.parachannel.jp/column/author/163/
など。

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旅行エリア
九州・沖縄, 沖縄県, 那覇市
旅行期間
対象読者
視覚障害 聴覚障害 車いす 発達障害 知的障害 精神障害 内部障害 高齢者 マタニティ 乳幼児連れ 補助犬ユーザ その他
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