毎年異なるテーマで造園される、世界最大の花の公園「キューケンホフ」。
開園期間は3月中旬~5月中旬まで、なんと、たったの2ヶ月間!
広大な園内は、いつ訪れても美しい花々が鑑賞出来るよう工夫がなされており、視覚でも匂いでも一日中楽しめます。 スタッフが毎日かかさずチェックをして植え替えられるので、驚くことに枯れている花が一つとしてありません。
訪れたのは、特に暖かくて花や緑が最も映える美しい5月の季節。
今回はオランダ旅の一部をご紹介します。
もうじき結婚する香港人カップルの友人、I君とLちゃんに誘われオランダ各地を周遊しました。2人は香港大同級生同士のソフトウェアエンジニア。私が昔ドイツ在住中に知り合った、旅仲間でもある親友です。ふたりのウェディングフォト撮影を兼ねた旅に同行しました。
一般的に、中国や香港の人たちは結婚式に向けて、披露宴で流すスライド用に何枚もの大量の写真や長編動画を撮る習慣があるのですが、友人はシナリオまで考え、全て自分達で制作しました。
最近は、彼らのように旅行先で撮る人も多いようです。
いわば、婚前旅行「プレ・ハネムーン」といった感じだろうか。
普通は専属カメラマンを雇って動画編集も依頼しますが、アイザックは1年も前から自国内外を旅しながら撮影プランを練っていたようです。
脚本も撮影もプロ顔負けのオリジナルストーリーで、彼らの家族や同僚、友達も勿論登場します。
二人の出会いからプロポーズまでの内容には、周りが思わず笑いと感動で涙してしまうほど!
旅の一年後の香港での結婚式は本当に素敵でした。
さて、キューケンホフ公園までの行き方です。
蘭国アムステルダムまでは、ドイツ・フランクフルトから約450kmの距離。
距離は東京⇔京都間と同じくらいで、乗車時間は高速鉄道ICEで直通4時間弱かかります。東京⇔広島までの時間くらいでしょうか。
早朝7時半にドイツを出発し、正午前にオランダ到着。
税関や外貨両替など、旅行につきものの煩わしい国境手続きはEU諸国では何も有りません。←陸続きの国々の、このスムーズな旅行のし易さが気に入っています。
フランスParisや、スイスBern、オーストリアSalzburgなども、ドイツ各都市発の高速列車でスイスイ🚄
アムステルダム中央駅からはスキポール空港駅まで電車で乗り継ぎ、高速バスでキューケンホフ公園まで向かいます。
電車、駅、バス、パーク園内はエレベーターやスロープがあり、車椅子やベビーカーにとっても比較的移動しやすいと思います。
ただ大変だったのは、見慣れない地名や案内表示が多いこと。地図ナビや辞書等のアプリでよく確認しないと行先を何度か間違えそうになります。
単語の文字数が英語よりも若干長く読みづらいのが、オランダ語圏やドイツ語圏の観光トラブルあるある、です。
アムステルダム中央駅で見た、長~いリカンベントバイク!
ビビッドな黄色でよく目立ちます。
しかも、2人用リカンベントバイクは初めて見ました。ペダルが上の方にあるので太腿の筋力が付きそうですし、寝そべって漕ぐので、見るからに首が非常に疲れそうです。
自転車大国でもあるオランダ。
バイクの種類が豊富でどこの列車の駅も、この様に長い形の自転車でも乗り込めるほど、とても奥行あるエレベーターになっています。
バス内の車椅子とベビーカー優先席表示のステッカーです。
言葉の響きはドイツ語や英語、仏語によく似ているオランダ語ですが、ちんぷんかんぷん。
唯一読めた単語は、車椅子の意味の「Rolstoel」。
友人はオランダの別の街から向かっていて、キューケンホフ公園で現地合流。
地図と時刻表を頼りになんとかプラン通りの正午すぎに公園に辿り着き、園内で二人と落ち合えました。
青空の快晴で心もわくわく!
室内パビリオン内のあちこちにある、蘭や百合の花々でつくられた色彩鮮やかな花トンネルも必見です。
いくつかパビリオンの建物のうち、オランダを代表する19世紀の画家の一人、日本人にも人気のヴィンセント・ヴァン・ゴッホの展示施設がとくに賑やかです。
私の兄の学生時代の友達がポール・ゴーギャンのひ孫さん (NY育ちで米国と仏国籍のオランダ在住フランス人)でした。
ゴーギャン自身は母方の南米ペルー王族と父方のスペイン人の血を引いている説が有り、ひ孫の彼も目元がゴーギャンそっくりです。
彼が日本に遊びに来た時曰く、その昔南仏アルルでルームメート同士だった曾祖父のゴーギャンとゴッホは映画でも描かれている通り、相当変わり者だったそうです。
【情報1点】
ゴッホ
https://xn--uck4a7d.jp/research/r02.php
ゴッホの作品、アルルの跳ね橋。
マリモのようなもこもこした草花が飾られています。
壁一面のゴッホの自画像
自画像が所狭しと展示されており、その数の多さと大きさに圧倒されます。
鮮やかなショッキングオレンジ色の花びらが不思議な形に1つ1つ折り重なった花。
ベルベットのように、ふにゃもふで触り心地のいいユニークな花々です。
パビリオンをいったん出て、一面に広がるチューリップ畑を鑑賞♪ 同じピンクでも濃淡がさまざまです。
キューケンホフ公園のHPによると、総面積 32 ヘクタール (79 エーカー) の園地に植えられる花の球根は毎年700万球になるのだとか。
東京ドーム約6.8個分の広さです!
牛の上に載っているのはチーズのレプリカ。酪農大国オランダのチェダーとゴーダ。
オランダチーズは口に広がる濃厚な味わいがなんとも絶品です。香りも強くザ・チーズ🧀
表面が硬いワックスやロウでコーティングされています。このワックスは食べられないため、包丁で切り込みを入れて表面を削ります。
次回は時間があれば、あちこちに点在するチーズ名の付いた村に行ってチーズ市場の競りや工場も見学したいです。
これも形がとても変わっていて1-2枚のラッパ状の花弁がついています。
さらに次のチューリップ。
品種もまた大変な数で、世界に約5,600種のチューリップがあるそうです。そして毎年新しい品種が生まれています。
ちなみに、オランダは食用バラの生産も盛んで、観賞用だけでなく女性にとくに嬉しいグルメや美容コスメにも使用されます。
アムステルダム郊外に、世界中に輸出されるアールスメール花市場があります。花の生産から競りや配送までシステマチックな様子が見学出来ます。
【花市場の情報】
https://x.gd/Ngpk5
赤い百合?香りが強烈なユリです。
黄色と白の色合いも素敵です。
満開が終わり開きすぎたら、すぐに片づけられてしまうのだろうと思うと、ちょっと寂しい気がしました。
農場のチューリップ畑は、球根を採るために花が完全に枯れる前に、刈り取られるとのことです。
ピンクと白ストライプのゴージャスなチューリップ。
見事なピンクのまぶしいヒヤシンス。
先端がつんつんとがった形状のチューリップ。
園内のトイレの様子です。
シンプルですが、中は横長に広めでアクセシブル。
両側にある手すりも跳ね上げられて使い易いです。
ヨーロッパのたいがいの場所は自動ドアではなく、手動押し扉式です。
日本とちがい、激重なドアなのが難点。欧州の障害者はそんなにパワフルなのだろうか。
このトイレはそうでもないですが、通常のところは金属色で壁も金属の冷たい色であまりほっとするようなお手洗いではないことが多いです。
オランダ旅行の目玉の1つ。
一度体験してみたかったボートハウスに2泊しました!
【情報2点】
ヴィータ ノヴァ (Vita Nova)
http://vita-nova.hoteleamsterdam.net/en/
https://www.booking.com/hotel/nl/vita-nova-amsterdam.ja.html
アムステルダム中央駅からボートホテル Vita Novaまでは歩いて10分程。
徒歩で周るには地図アプリがかかせません。
今の時代に生きてて良かった。
キューケンホフ公園を出て、
15時過ぎにボートホテルに到着すると、気さくな受付スタッフのおじさんが、
「お腹すいているだろう?」と、
カマンベールチーズとトマト一個づつまるごとと、クラッカーやピクルスまで用意してくれました。
どうもありがとうおじさん!
こちらは実際の朝食の様子。
沢山の種類のチーズとサラミ。
パンにのせて、1枚づつ試してみました。
スウェーデン風のクラッカーに薄切りチーズやジャム等をのせたり、プレーンヨーグルトにグラノラシリアルを混ぜたり。。見た目にもカラフルな朝食です。ピーナッツバターなどもあり、クラッカーに塗るものが5種類もあるので選ぶのに悩みます。
写真左端の箱はオランダではメジャーな、パンやクラッカーにかけるチョコレートフレーバーふりかけ! ゆで卵は世界共通食かな。
泊まった周辺はデッキが5列有り、それぞれの列にこのように数台ボートハウスやボートホテルが並んでいます。
ボートホテル内のベッドルームです。
部屋によっては二段ベッドになっています。
陸上のドミトリーやホステルのように、意外と普通のお部屋。窓があるので、きちんと日も差し込み明るいです。
香港人友達と一緒に泊まりました。
ベッドルームは数部屋あり、
一番奥はお手洗いとシャワー室です。
トイレはコンパクトで意外と落ち着きますが、ボート全体はアンバリアフリーです。
階段でボートの屋上へ上がります。
ボートは小さすぎず大きすぎず、案外揺れないので居心地いいです。
ボート上でお昼を食べたり、お昼寝したり..
くつろいだりできます。そよ風も爽やか!
ボート上からの眺めが気持ち良いです。
写真は夕暮れ時の川沿いの景観です。
アムステルダム中心街に、アンネフランクがナチの強制収容所に入れられる前に家族で隠れるように住んでいた家があります。
家々は隙間なく隣り合っています。壁を壊して家を跨げたりするのかな?
【情報2点】
アンネフランクの家「博物館」
https://www.holland.com/global/tourism/destinations/amsterdam/museums/anne-frank-house-18.htm
https://artsandculture.google.com/exhibit/wQi4lSIy?hl=ja
水路から見える夕陽の眺めが最高♡
夕食は、アムステルダム市内のチャイナタウンにて広東料理。ワンタンスープと焼き豚、青菜ガーリック炒め、他にも色々頂きました。
オランダですが、在欧アジア人が多いせいかアジア人好みの味付けでなかなか美味しく、まるで香港にいるようです。
アムステルダムにあるゲイバー。
店前にお客さんの電動車椅子が駐車されています。かなり大型。
周辺には妖艶な飾り窓がある通りとして知られています。
チャイナタウン夕食帰り道の夜景☆
泊まったボートホテル Vita Novaの隣に洒落た大きい建物があります。面白そうな博物館でしたが、見る時間が無かったのが残念です。
【情報2点】
NEMO科学技術博物館
https://www.holland.com/global/tourism/article/science-center-nemo.htm
https://orandakids.com/museum/nemo/
2日目、宿泊最終日の朝食。
写真奥のオレンジの丸い塊はチェダーチーズ、手前はカマンベール。こんなにチーズづくしでいいんだろうか。
右手にある2つはガーリックやハーブ、チャイブ(葱)入りのクリームチーズ。
カトリックの多いイタリア、スペインは食事や文化が華やかなものがありますが、
プロテスタントのオランダ、イギリスの食文化は質素な傾向でしょうか。酪農品のほかで美味しいものはあまり思いつくものがありません..
船内カフェテリアの奥で、ボートホテルをチェックアウト。船の中とは思えないほど広々しています。
いよいよオランダ旅の終わりです🧀🇳🇱🌷
ドイツのすぐ隣国ですが、今回はガラッと変わった春の風景と雰囲気があじわえました。
次回は秋冬に練り歩いてみたいと思います。
オランダめぐりは以上です。
お読み下さりありがとうございます。
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