こんにちは!車椅子トラベラーのみよっちです

今回は僕が丘の上にあるパルテノン神殿をどうにか攻略した時のエピソードです。

しかし、それは僕一人では到底難しい険しい道のりでした。
整っていない通路、トラブル、それらをカバーしてくれた現地での助け合い。

心温まる…?かどうかわかりませんが是非お楽しみください。

段差のない電車の入り口
世界一周中立ち寄ったギリシャはアテネのみの訪問。

空港から電車で40分ほど揺られるとアテネの中心街に到着
段差もなく乗りやすかったです!


アテネの裏通り
アテネでの目的はパルテノン神殿一本。

中心街のホテルからはタクシーでパルテノン神殿のすぐそばまで行くのが無難だと思いました。
(アテネで泊まったホテルは一泊2000円の8人部屋でトイレ風呂共に完全"非"バリアフリーなため詳細は割愛します)

※写真はアテネの街並み

アテネの街並み
今回とあるブログから事前にパルテノン神殿は車椅子でもアクセス可能という情報を入手していたので意気揚々と出発!

ホテルから出ようとしたら目の前に50歳くらいのひげもじゃもじゃのボロボロのデニムを履いたインド人らしき男性が居て、うぉっっ!とその見た目に圧倒されましたが他に誰もいなかったので彼にホテル入り口の段差を降ろしてもらうのを手伝ってもらうと

「これからどこに行くんだい?」と話しかけられました。

「パルテノン神殿だよ♫」

と素直に答えると、俺が連れてってやるよと一言。。

※写真はアテネで賑やかだった商店街的なところ

チケット売り場の行列
怪しい…怪しいです…
彼は慣れた手つきでタクシーを止め、ドライバーと何やら話していました。

そして、僕に乗れと…
これは確実に怪しい!と思いながらも彼にそこまで悪い雰囲気を感じず、何故か素直に受け入れて一緒にタクシーに乗りました。

10分ほど走るとパルテノン神殿のチケット売り場まで車を動かしてもらい無事に辿り着きました。

(ふぅ…良かった…)

チケット代は、僕の代わりに買いに行ってくれたインド人に正規料金(2500円程度)を請求されましたが、近くの長椅子に腰掛けていた謎の老婆に声をかけられて無料チケットを頂きました。
※旅中こんなイレギュラーは幾度となく訪れます。


チケット売り場からのひたすら続くでこぼこ登り坂
チケット売り場から車椅子用の入り口まではひたすらでこぼこ道路の登り坂。
おそらくこの時点で僕一人であれば諦めていたことでしょう。


車椅子用?の入り口
そしていざ専用入り口から入ろうとすると門番のような人たちに静止されました。

「残念ながら今日は入れない…昨日の雨の影響で階段昇降用のリフトが動かないんだ…」

ショックでした。
せっかくここまで来たのに…


壊れた階段昇降機
と、落ち込んでいたらインド人が
「俺が担げばいいだろうが」的な事を言ってくれたのです。

どうやらパルテノン神殿へ行くには二つリフトがあるようで
一つは階段昇降用、一つは崖を垂直に上る用。
※写真は当時壊れていた昇降機

パルテノン神殿までの階段
インド人「崖のリフトが壊れたんならお手上げだけど、階段なら登れるかもしれないぜ。」

少しだけ希望が見えてきました。

階段は傾斜がかなり急で30段ほどあり、一人では無理だと判断し、彼がすぐに「ちょっと待っていろ」とどこかへ消えていきました。

数分後戻ってくると彼の隣には屈強そうな若いスペイン人の男性。

炎天下の中車椅子込みで80kgはある僕を持って二人は一段一段ゆっくりと、休憩を挟みながら上に進んでいきなんとか階段を登り切りました。

僕はありったけのお礼を伝え三人で抱擁し合いました。
こんな一瞬一瞬の一期一会が旅の魅力でもありますよね♫



神殿までのエレベーター
階段を登り終えた後は、見た目的にかなりスリルのある崖登り用の垂直リフトに乗って神殿のある丘まで向かいます。。

※猫も見守る恐怖のリフト 

神殿までのエレベーター内部
かなり狭いので肌感覚ですが定員は車椅子1人と健常者1〜2名かと思います。


パルテノン神殿周りの凸凹路面
神殿の周りの路面はかなりガタガタ。
正直1人で動き回れる場所は全くと言っていいほどありませんでした。

それでもずっと付きっきりでインド人が押してくれました。


僕を助けてくれたインド人と
ひとしきり見て回って、たくさん写真を撮って街に戻りましたが、結局彼はツアー代や金銭を要求することは一切無く、純粋に助けたい!という思いだけで行動してくれたのです。

僕はせめてものお礼にとご飯に誘い沢山の話をしました。

最後に、「どうして僕を助けようと思ったの?」
と言う問いに対して彼はこう答えました。

「俺たちは宇宙生まれの宇宙育ち。そんな世界で、性別や年齢、障害なんて関係ない。俺は今日時間があって、体が動いて、君を助けることができた。そんな一日を与えてくれてありがとう。」

そんな彼の心はこのギリシャで見てきたどんな景色よりも美しかったです。


丘から眺めるアテネの町
旅って、もちろん見た景色や建物の美しさ、現地の料理の味に感動する事が沢山あります。

しかし、それ以上に僕が楽しみにしていることは現地での『出逢い』です。

出逢いだけは予測不可能、だからこそ最も心に残ります。

最後に伝えておきたいことがあります。

今回は素晴らしい出会いでしたが、もちろんそうでない出会いもあります。
初めての海外旅行の方や、経験がまだ少ない方、不安な方は必ず渡航する前にその国ではどんな犯罪が起こるのか、どういう手法で行われるかなどを目を通すだけでグッとリスクを減らすことができます。

リスクを最小限に、旅を最大限にエンジョイしてください♫



男性/30代 肢体不自由, 車いす

《経歴》
18歳の頃バイク事故で首の骨を折り頸髄を損傷、両手両足に麻痺が 残り車椅子生活を余儀無くされる。 会社員の時に一人でハワイに旅行し、世界観が広がる。
その後海外の暮らしに憧れを持ちLAやオーストラリアに短期移住。
帰国後会社員として再度働き、お金を貯めてから世界一周を決意。
約9ヶ月間23カ国42都市以上を回り、世界一周達成。

現在は車椅子の旅人として全国で講演/執筆活動
エイチ・アイ・エスユニバーサルツーリズムのスペシャルサポーターとして、国内外に赴き車椅子でも旅行しやすいツアー造成の監修などを行なっている。

トミーヒルフィガーアダプティブオフィシャルサポーター
YouTubeチャンネル『Miyo Channel』運営
https://www.youtube.com/channel/UCwKAtfs3eE39D1WfHo_ivcA

2019年7月に光文社より「No Rain, No Rainbow 一度死んだ僕の、車いす世界一周」を出版。

使用車椅子
TiLite TR/2GX

好きな国
タイ/エジプト/アメリカ

旅行エリア
ヨーロッパ, ギリシャ, アテネ
旅行期間
対象読者
肢体不自由 車いす
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関連タグ
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