大勢の観光客で賑わうエマーム広場

     


過去の旅行を思い出して、日本からの旅行者が少ないと思われる国への旅行について書きたいと思います。ご紹介するのは、旅の手続きで少々大変な思いをしたけれど、苦労して行った甲斐があったイラン旅行です。

ケバブを焼いているところ
実はイランは2度目の訪問です。2013年の世界一周の途中に寄りました。この時は知り合いが仕事でテヘラン近くに滞在していたので、一緒にイラン人家庭に泊めていただき、大変なおもてなしを受けました。

写真は泊めていただいたアパートのベランダでケバブを焼いているところです。

絨毯に座り料理する女性
男性達がベランダでケバブを焼いたり水タバコを吸ったりしている間、女性達がキッチンで野菜を切ったりハーブをちぎったりしていました。手間暇かけたイランの家庭料理はとても美味しいです。

この時はイランに3日ほどしか滞在しなかったので観光地には行っていません。滅多に見られない家庭の暮らしを覗かせてもらい貴重な体験でしたが、いつかはイスファハンやシーラーズ、ペルセポリスなどメジャーな観光地に行ってみたいと思っていました。

ピンクのバラ
2度目のイラン旅行を考え始めたのは2017年の3月頃。イランに行くならゴールデンウイーク。まとまった休暇が取れるというのもありますが、5月のイランはバラが咲き始める美しい時期です。問題はひとり旅の自信がなかったこと。

一度行ったことがあるとはいえ、その時は日本語を使いこなせるイランの方に頼ってしまい、イランを一人で旅行するノウハウを全く身につけなかったのです。

今回はツアーにしようかな。航空券だけでも高いし、広大なイランを短期間で一人で回るのは難しそうだし。ツアーの方がお得そう。

しかし、調べてみて旅行代金の高さにびっくり。ゴールデンウイークに一人参加なので仕方ないとはいえ、1週間程度の旅でも40万円以上!ヨーロッパの方が安いぐらいです。

少しだけ旅行代金が安くなる相部屋可能なツアーが2つあったので問い合わせてみました。私が視覚障害者であると告げると、2社とも相部屋どころかツアー参加自体に難色を示しました。そこで会社に出向いて話をすることにしました。両社ともツアーには参加できるということにはなりました。しかし、できれば若い方の参加が多い連休は避けて、高齢者中心の連休後だとありがたいと言われました。肝心の相部屋については以下のような回答でした。

A社の回答:添乗員が女性であれば添乗員との相部屋。添乗員が男性の場合は、他のお客様に私の障害のことを伝えて了承してもらえれば相部屋可能。

B社の回答:相部屋可能。

私はもちろんB社のツアーに参加しようと思いました。相部屋になるお客さんには私の障害について話していただいて構いませんよと伝えました。すると想定外の答えが返ってきました。相部屋になるお客様には相手の方の情報は伝えないルールになっているので、私の障害についても伝えないそうです。

私はどうしたら良いか分からなくなってしまいました。会社は私が視覚障害者というだけでツアー参加に難色を示したのに、一緒になるお客様には話さないなんて!

私と一緒の部屋になった方はどう思うだろう?高いお金を払ったのに、ずっと私の面倒を見なければならないのかと、損した気持ちになるかもしれません。

私は結局ツアー参加を諦め、ひとり旅を考え始めました。

薄い『地球の歩き方イラン』
ひとり旅ということで、まず読むのが『地球の歩き方』です。しかし、イランの本のなんと薄いこと!およそ日本の4.5倍の広大なイランなのに、たった189ページです。読んではみるものの、これだけでは情報不足な感じ。

SNSの規制やクレジットカードが使えないこと、日本からbooking.comなどの予約サイト経由でホテル予約がほとんどできないなど、ちょっとハードルが高いなと感じました。

もっとも心配だったのがビザの手続き。ビザの電子申請サイトがあったのですが、そこはいつアクセスしても繋がりませんでした。イランは日本人に対してアライバルビザの取得を認めています、アライバルビザとは、前もって大使館などでビザの申請をしなくても、現地空港到着時に取得できるビザのことです。そのような制度があっても、アライバルビザが確実に取得できるのか不安です。不安要素が多くて諦めた方が良いのかなと思い始めました。



『イランの家めしいただきます!』の本
しかし諦めの悪い私。少々思い切った行動に出ました。写真家・ノンフィクション作家の常見藤代さんという方にメールで相談してみました。

常見さんはイスラム文化圏に多く足を運び、現地のお宅で一緒に生活した体験を出版されています。私は常見さんのトークイベントに行ったことがあり、本も何冊か読んでいました。常見さんならまとまった具体的なアドバイスが得られそうだと思いました。

以下のような内容を問い合わせてみました。

女性ひとりでホテルの予約は取れるか。
障害者のひとり旅でも安全か。
ビザの手続きはどうしたら良いか。
どこか良い旅行会社があるか。

常見さんからはすぐに以下のようなお返事をいただきました。

「ホテルは女性一人でも泊まれます。予約は最初の一泊だけしておけば十分です。タクシー運転手は女性に変なホテルを紹介したりはしないはずです。イスラム教の国の人々はとても親切。杖を持った外国人など見かけたら放っておけないはず。横断歩道も手を引いてくれるでしょう。私のモットーは旅に出たら現地の人に思い切り甘えることです。」

とても勇気と安心を与えてくれるメールでした。イラントラベリングセンターという現地旅行会社の阪野さんという方も紹介していただき、無事ビザの取得手続きとテヘランからシーラーズへの国内線航空券、シーラーズでのホテルを手配してもらいました。

常見さんのおかげで一気に旅支度が整いました。

イラントラベリングセンターのホームページです。
http://www.irantravelingcenter.com/ja/イランへの旅行-home-travel-to-iran/

写真は2019年4月に出版された常見藤代さんの『イランの家めしいただきます!』という本です。電子書籍はなさそうですので、紙の本が読めない方はイスラム世界を知るメディアというブログを読んでみてください。イラン以外のイスラム圏の旅情報もたくさんあります。

イスラム世界を知るメディア
https://www.f-tsunemi.com/blog/

女性/50代 視覚障害, 肢体不自由, 内部障害

お知らせ:Kindleで『ヨルダン? 行って帰って120時間?? 何、やってたの???』を出しました!読んでみてください。
https://www.amazon.co.jp/ヨルダン?-行って帰って120時間-何、やってたの-ヒロミトラベル土産ばなしヨルダン編-鈴木弘美-ebook/dp/B08WHWD2WC/ref=sr_1_7?__mk_ja_JP=カタカナ&dchild=1&keywords=ヨルダン&qid=1617584617&s=digital-text&sr=1-7

自己紹介
こんにちは。私は先天性白内障で、視力は右0.06、左は見えていません。ルーペや単眼鏡、iPadをフル活用して海外旅行をしています。右の股関節と両膝関節の変形があります。そして数年前に糖尿病になりました。
 今までに行った国は約50カ国。2013年に憧れの世界一周と、ピレネー山脈を超えてスペインの巡礼路約800kmを歩きました。リラックスよりも冒険的な旅が好き。それから旅先で猫を探すのが好きです。
 旅行好きが高じて2020年に総合旅行業務取扱管理者資格を取得。旅を仕事にできたらいいなぁ。

旅行エリア
中東, イラン, その他の観光地
旅行期間
対象読者
視覚障害 高齢者 その他
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なし
関連タグ
弱視女性一人旅世界遺産イランイスファハンシーラーズ出入国常見藤代