ドイツの鉄道博物館

     


ドイツの「ほぼ」バリアフリーな交通機関の紹介です。


ヨーロッパを旅するなら、移動が便利な高速列車で陸続きの国々を周ってみよう。

今回は隣国のフランス・スイス・オーストリア・オランダ・ベルギー・チェコ・イタリアにつながっている、ドイツ版新幹線ICEと、公共交通機関のバリアフリーの様子をご紹介します。

フランクフルト中央駅のホーム
【フランクフルト中央駅】
ヨーロッパの玄関口であるフランクフルト国際空港からSバーン列車で30分弱のところに有ります。

【ドイツの鉄道機関】
ドイツの列車は大きく分けて7種類。

 ・Straßenbahn (路面トラム・ストラッセンバーン)
 ・U/Sバーン
 ・RE/RB (快速・普通列車)
 ・IC/ICE (特急列車・超高速列車)


トラムとUバーンは市街へ
Sバーンは市街から郊外まで延びていて、通勤者の足にもなっています。
さらに遠く都市近郊や小さな街、他の国々を結ぶのがRE/RBとIC/ICE。
ICは日本で言うところの新幹線「こだま」「ひかり」、ICEは「のぞみ」のイメージが近いと思います。最高速度330km/h出ます。
平坦な国土ならではなのでしょうが、スピード感が羨ましいです。

そして、なんと、なんと。
ドイツの列車は券売機で乗車券こそ購入するものの、改札が無く、ホームに来た列車に乗り込むだけ。信用乗車方式なのです!

ドイツの州によっても異なりますが、フランクフルト駅には乗車時の打刻機すらありません。つまり、あらかじめ乗車券または定期券を持っていれば、駅までダッシュですぐに乗れてしまうわけです。

大きめな駅でも、券売機は1~3台しかありません。
サービスカウンターでも乗車券を購入出来ます。IC/ICE特急・高速列車は通常、ネット購入です。(乗車時間帯と乗換数により値段が全然異なるのでなるべく安く購入できるチケットを狙いましょう。)


信用乗車方式が採用されている交通機関では、駅や停留所に改札口が設置されておらず、誰でも自由に出入りすることができます。しかし、ごくまれに途中の駅から駅員さんが突然乗り込んできて、検札があります。

無賃乗車や金額が正しくなかったことが見つかると、最寄りの駅で降ろされ、罰金が科せられます。

駅構内・車内は、ほとんどと言っていいほど広告が貼られていません。
路線図と罰金警告のポスターのみ。
それ以外で見たのは、上の写真右手にあるチョコレートの大型広告くらいです。(リッタースポーツ社)


ご参考までに不正乗車がばれたときの罰金をご紹介すると、フランクフルトでは当時60ユーロでした。60ユーロでも厳しいと感じますが、スペインのバルセロナでは最大600ユーロです。

ホームでは時々、無賃乗車パトロールに捕まった人達と駅員による、粘り強い交渉が繰り広げられています。「たまたまこの日は定期券の更新を忘れた」「うっかりしていた」「観光客なのでドイツ語がよく分からなかった」等々、 傍で聞いていると、よくそんなに頑張って言い訳が出来るもんだなぁと思います。


【リッタースポーツ社のチョコレート】
種類が豊富でついつい目が釘付けになります。
https://www.mitsubishi-shokuhin.com/confectionery/ritter/index.html
https://www.ritter-sport.de/en/products/

【IC/ICE特急・高速列車チケット購入サイト】
https://www.bahn.com/en/view/trains/long-distance/ice-ice-sprinter.shtml

ホームで車椅子昇降リフトを設置
油圧式の乗り口昇降リフト

とてもおおがかり。
油圧式とはいえ、踏み踏みが大変そうでした。


車椅子昇降リフトで乗り入れ
次に、車椅子での乗車方法についてご紹介します。

トラム、Uバーン、Sバーン以外の列車は、ホームとの段差が大きいので、歩行困難な人は昇降リフトを駅員にお願いします。この時は50Mほど先から転がして持ってきてくれました。見るからに相当重そうなリフトです。

来る列車が何両編成かは電光板で分かりますが、ホームは白線のみでドア位置の印が無い上に、列車がどの辺に到着して、乗り口がどこになるかは定まっていないので、乗るたびに緊張します。

そのために、昇降リフトを移動する駅員さんも、「どの辺の位置だったかなぁ」と言いながらの誘導です。また、リフトが転がすにも重いのでけっこう大変そうです。福祉機器はアナログタイプが多いです。

きっちり規則に厳しそうなドイツでも、おっとどっこい・・到着発車時刻はゆるゆるです。列車の故障、点検、事故でなくても、到着遅れや運行自体が無くなる事はよくあります。

車椅子昇降リフトで電車内に乗り入れ
さっそく、電車内に入ります。
手伝ってくれてありがとう駅員さん!



1stクラスの床表示
ICE高速列車の車内の様子。

1stクラスの床表示です。
Klasseは、クラス。DBは、ドイチュバーンと読みます。ドイツ語で国名「ドイチュランド」、バーンは「鉄道」の意味です。

ICE高速列車の奥行ある車内車椅子スペース
ICEは、イーツェーと発音します。
1st,2ndどちらのクラス車両も車椅子スペースは有りますが、車椅子であれば大抵の場合、より広々としている1stクラスに乗せてくれます。

1stクラスは、手元のボタンでキャビンアテンダントを呼んで食事を頼むことが出来ます。新聞やイヤフォン、WiFi、充電コンセントがあるのでビジネスマンが多いです。
定番メニューは、サンドイッチやポテトフライ、ベーグルサンド、グラーシュ(中欧風シチュー)など。昼間からビールもワインもOKです。

一方、2ndクラスは、座席からの注文サービスがありません。車内のキオスクか食堂車両を利用します。旅行費を浮かせたい観光者向けにぴったりの2ndクラスなど、いくつか旅の選択肢があります。

ICE車内がどのぐらいの広さかというと、1stクラスの前方は車いすが数台置けるほどです。 日本の新幹線にある、障害者やベビーカー利用者向けに用意されている個室、いわゆる多目的室のような専用ルームは無いものの、ICE超高速列車はスペースが広々していて快適です。

左前方4席と右側の何もないスペースは障害者と必要な方の優先席です。
テーブルと前の2席は折り畳み式で、余裕があるつくりになっています。
右側に車椅子を停めて、左側テーブル側に移動して車内シートに座ることも出来ます。

ICE高速列車の向かい合ったテーブル
ヨーロッパのベビーカーは、ジョギング用ヘビーユースなタイヤ仕様の3輪や、双子ちゃんや年子用の2座席あるものなど、多種多様で大型なものも多いのですが、そんなベビーカーでも数台乗れてしまいます。

これだけ横幅奥行きにスペースがあると、座席からトイレや別車両までも行き来がし易いです。
もちろん、多機能トイレもあり、比較的使いやすいです。

また列車によっては、赤ちゃんや子供、友達同士、またはファミリー向けの4人用コンパートメントルームも付いています。日本の新幹線にあるような、主に障害者向けの多目的室ではなく、それぞれの用途別に備えられています。

自転車置き場もあります。
そう。ドイツでは長距離鉄道のあちこちの旅先でサイクリングが楽しめるのです。
ICE高速列車では分解が必要ですが、それ以外の列車ではバイクを分解せずにそのまま車内に持ち込めます。スイスやオーストリアなどの近隣国も同様です。

RE郊外快速列車内の自転車置き場
【RE郊外快速列車 自転車置き場 (1)】

サイクリストは、自転車をきちんと置いて自転車から離れていること、とされています。揺れの中でバイクを支えてずっと立っているのは危険なためです。
そのため、自転車置き場となる座席に座っている人がいても座席をすべて折り畳んで、堂々と自転車を置くことができます。

通学・通勤時間には5~7台重ねて置いてあることもあります。

RE郊外快速列車内の自転車置き場に逆さまに置かれた自転車。笑
【RE郊外快速列車 自転車置き場 (2)】

中には、こんな器用な人も。
自転車を斜めに置いただけだと、倒れたりスーッと前に動いたりしてしまうので、面倒くさがりな人は逆さまに置いています。

また、スイスの列車では、縦に吊り下げるちょっと変わった自転車収納スペースを見かけました。 文字通り、「縦に」ですよ。縦。見た目、かなりインパクトあります。省スペースで済むのはよさそうですが、よほど力が強くないと収納するのに苦労しそうです。

階段の上り口ホーム。黒い犬と女の子、スーツケースを転がすお母さん。階段を上がったお爺さん。
【ホームまでの階段脇にある荷物レール】

階段の手すり下には、スーツケースや自転車を載せて運ぶ、ベルトコンベア式の自動荷物レールが付いてます。大きな駅を除いては、意外とエスカレーターはあまり見かけませんので、その代わりにレールに荷物を載せてホームまで運びます。

犬と乗車 (1)
【犬と乗車 (1)】

テリア犬と一緒に乗車のおばさまに出会いました。慣れた様子でトラムに乗り込むワンちゃんがとても可愛いです。

周りの乗客もとくに気にしないようです。


Uバーントラム内の黒いラブラドール犬
【犬と乗車 (2)】

こちらは、Uバーンで見かけた、お行儀の良いラブラドール犬です。
盲導犬や聴導犬などでなくても、犬も家族の一員としてケージに入れずに同伴できます。

ドイツの飼い犬は、子犬の頃からきちんとトレーニングされているためか、吠える犬やリードを引っ張る犬を見たことがありません。
滞在中は躾の悪い犬を見たことがないのが今でも不思議です。

鉄道車内のご案内を一通り終えたところで、次に「ミュンヘン中央駅」の多機能トイレをご紹介します。

明るい照明の2.5畳の広い多目的トイレ
【ミュンヘン中央駅のモダンな多機能トイレ(1)】

寝台にリフト、トイレにも背もたれ。
いたれりつくれり。。

かなりモダンな横長に広い多目的トイレ
【ミュンヘン中央駅のモダンな多機能トイレ(2)】

ドイツの公衆トイレは、常時、清掃と受付兼任のスタッフが1名おり、ほぼ必ず有料なのですが、多機能トイレは無料で使用できます。

・リモコン付き折り畳みベッド
・介助リフト
・跳ね上げ式の手すり
・背もたれパッドつきトイレ

トイレットペーパーがちょっと多すぎます。奥のペーパーホルダーに3つ。手すり両手に2つ。おまけに、洗面台には欧米によくある巨大ロールペーパーが手拭き用に備え付けられています。

別の角度から見ると、いかに広いか分かります。仕切りカーテンがあると介護者も配慮しやすくて良いのですが、こちらには備え付けられていませんでした。

木製内装のIC特急列車内の多機能トイレ
【IC特急列車内の多機能トイレ (1)】

ICEより遅い列車ICのトイレも
まあまあ使い勝手がいいです。



普通の白い内装のIC特急列車内の多機能トイレ
【IC特急列車内の多機能トイレ (2)】

こちらは、列車内のため中は駅構内のトイレよりはコンパクトですが、それでも十分使いやすいです。



天井の高いアーチ型が特徴の駅舎
【RE郊外行き快速列車の2階建て車両】

列車旅をしたくなってきませんか?

以上、ドイツ版新幹線ICEと、公共交通機関のバリアフリー情報をご紹介しました。


【おまけ動画 2点】
・自動車の宣伝と思いきや。。。
https://youtu.be/avAtMKz11FE

・近未来のICE列車コンセプト
https://youtu.be/re8h_ARWqJg



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"幸せの鍵は新しい場所と出会い!" 
趣味は地球ぶらり旅。
散策歴28ヵ国・140都市。
バリアフルでも楽しめる旅の良さをお伝えしていきます。

旅行エリア
ヨーロッパ, ドイツ, フランクフルト
旅行期間
対象読者
車いす
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