障害のある人もない人も一緒に富士山頂でご来光を迎えた集合写真です。

     


私は、2012年~17年まで毎年夏に、視覚障害、聴覚障害、発達障害のあるメンバーも含む50人の団体で、富士山を登った経験がありました。障害の有無を超えて、一緒に登った富士登山を紹介します。

障害のない人とある人で一緒に何かに挑戦しようという趣旨で生まれたこの企画。
それぞれの障害のある人をサポートする方法は、メンバー一人一人が手探りで学びました。
視覚障害の人は、誰かの荷物を掴み、誘導してもらいながら登ります。
聴覚障害の人とは、通常会話のほか、手話やジェスチャーでもコミュニケーションします。
車いすの人は、自走できる登山用車いすを使い、力のあるメンバー数人が一緒に押すような感じでアシストして登ります。

障害のない人がある人をサポートするだけではありません。
時には障害のないメンバーが聴覚障害のメンバーからおやつをもらったりするなど、障害の有無に関係なく自然な助け合いをすることもあります。
一緒に登るようになれば何ということはありません。同じ人間です。

富士山五合目にて。左に盲導犬、右に筆者。
私(写真)は、大学時代に発達障害と診断されています。集団行動が不得意な発達障害の人は、事前に周囲に特性の説明をします。周囲の人が声をかけながら状況を把握できるようにサポートします。
私は数回にわたり参加しましたが、回数を重ねるごとに成長していったことを実感しました。

途中まででしたが、盲導犬を連れて登ったメンバーも。

富士山五合目にて。左に筆者、右に登山用車いすの参加者。
途中まででしたが、登山用車いすで登ったメンバーも。

富士山では、環境保全の一環として入山料を1人1,000円納めます。
登山口には、富士宮口(静岡県富士宮市、標高2,400m)、河口湖口(山梨県河口湖町、2,300m)と須走口(静岡県駿東郡小山町、2,000m)の3箇所があります。
十分に下調べをした末に、須走口からスタート。このルートは、最も混雑が少なく、自分のペースで登るのに最適です。

須走口登山道は、富士山東麓に位置する五合目からスタートします。
冨士浅間神社があります。ここで安全登頂を祈願します。

5~6合目の登山道。左に筆者、右にチームリーダー役のメンバー。
しばらくは樹海の中を登ります。
登っていくにつれて緑が少なくなり、やがて土と岩だらけの世界になります。


登山道から眺める空と雲海。雲には富士山の形の影が映っています。
富士山は「遠くから眺める山」と言われます。
確かに殺風景。
でも、空には幻想的な雲海が広がり、とても美しい風景になります。
下界には影富士を見ることができます。

山小屋「見晴館」の夕食のカレー。
富士山には山小屋があり、休憩したり宿泊したりできます。
六合目には長田山荘、本六合目には瀬戸館、七合目には太陽館という山小屋があり、小休憩しました。
富士山の山小屋のトイレは使用料200円かかります。
トイレの匂いが気になる人は、タオルで鼻を覆って。

日が落ちる頃、本七合目の見晴館に着き、ここで宿泊。
夕食はカレー。とても美味しいです。
仮眠し、身体を休めます。

深夜の登山道。登山者はみなヘッドライトを付けています。
夜11時頃、少し眠いですが起床。
夏の富士山は昼夜の温度差が激しく、夜は真冬の寒さ。防寒着を着ます。
風が強い時もあります。ゴーグルもあるといいです。
当たり真っ暗なので、行き先を照らすためヘッドライトを付けます。電池が切れた時のために予備の電池も用意。

八合目、下江戸屋で小休憩。

本八合目、上江戸屋で小休憩。
須走口は本八合目(標高約3,370m)で吉田口登山道と合流し、山頂に伸びます。
ここから大変混み始めます。

登山者のヘッドライトの光が行き先を照らします。
迷うことはありません。

八合五勺、御来光館で小休憩。

九合目、鳥居をくぐります。

山頂から。雲海の向こうから太陽が昇ります。眩しいです。
そして深夜4時前、ついに山頂へ到着。
座って御来光を待ちます。

まぶしい光と共に太陽が姿を見せます。

山頂。メンバー10数人での集合写真。
バンザイ三唱。
一緒に登れたのは、入念な準備と、メンバー一人一人の結束のおかげです。

真冬の寒さだったのが、朝になり明るくなると、グングン気温が上がっていきます。
防寒着は脱ぎ、Tシャツに。

帰りは「砂走り」という泥と砂だらけの下山道をひたすら下ります。
どんどん山頂が遠ざかってゆきます。
スクワットの姿勢でかかとから下りるようにすると、足に負担がかかりません。
太陽光が強いので、サングラスか、眼鏡に偏光レンズを付けるようにします。

スタート地点の五合目に帰還。お疲れ様でした!
これを読んだ方もぜひ、一生に一度は挑戦してみてください。

<登山用品>
30リットル分のザック。
ザックには、下に軽い物、上に重い物を詰めると、登るのが楽になります。
ザックのフックにナイロンのドリンク袋をひっかけ、水分補給を楽に。
酸素ボンベ1缶。高山病対策です。
山の天候は変わりやすいです。突然の雨のために雨具が必須です。
登山用ステッキ。2本一組で伸縮機能のあるものが使いやすかったです。

ドリンクはソルティライチ。ザックの左右にペットボトルを備えておきます。
おやつにはカンロ飴。

<服装>
黒の長袖Tシャツの上に半袖Tシャツ。ジャージ。手袋。
首の周りにはタオル。

<所要時間>
障害のあるメンバーも一緒ということで、障害のない人だけで登るよりゆっくりペース。
登り 12時頃に五合目を出発~19時頃に本七合目、23時頃に本七合目を出発~4時頃に山頂。計16時間程度。
下り 7時頃に下山開始~12時頃に五合目帰還。計5時間程度。

女性/30代 発達障害

女性障害者メディア「ココライフ女子部」、障害者雇用メディア「ミルマガジン」などで執筆。寄稿、翻訳多数。大学生で発達障害と診断されるが、障害者と健常者での富士登山などを通して、挑戦や多様性の価値を信じる。海外の多様性にも関心あり。
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旅行エリア
中部, 静岡県, 小山町
旅行期間
対象読者
視覚障害 聴覚障害 肢体不自由 車いす 電動車いす 歩行補助具 発達障害 知的障害 精神障害 内部障害 補助犬ユーザ
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登山助け合い